東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 伝統芸能一覧 > 記事

ここから本文

【伝統芸能】

<若き「和」を訪ねて>みんな元気に大笑い 親子でたのしむ狂言の会

 ワー、ハッハッハ−。東京・自由が丘の閑静な住宅街に、子どもたちの元気な声がする。狂言方和泉流の奥津健太郎(おくつけんたろう)(44)が土、日曜や祝日に、自宅の稽古場で開く「狂言教室」。現在、四歳から高校一年までの二十二人が通い、狂言特有のせりふ回しや豪快な笑い、小舞といった狂言の基礎を習っている。

 きっかけは東日本大震災直後の二〇一一年三月三十一日に、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で奥津が主催した公演「親子でたのしむ狂言の会」だった。分かりやすい曲目「井杭(いぐい)」を披露したところ、幼い子どもたちの笑い声があふれた。「狂言の持つ力を再認識した」と奥津は振り返る。「自分も狂言をやってみたい」という声が多く寄せられた。

 東京都渋谷区の東江寺(とうこうじ)の本堂を借りて、翌月から月一回、子ども向けワークショップを始めた。さらに狂言を学びたい子どもを対象に「中級クラス」を設け、奥津の自宅で月二回、マンツーマンで指導する。

 習い始めて六年目という小学五年の清水陽太君(10)は「大きな声を出して、昔の言葉で表現をするのが面白い。稽古の後はスカッとします」と元気に話す。三歳の時にワークショップに参加した小一の江口太一朗君(7つ)は「昔の言葉を覚えるのは難しいけど、狂言はお笑い芸人の漫才と同じくらい面白い」と笑いのツボにはまっている様子。

 小四の松岡咲樹(さき)さん(9つ)は「私はきれいに踊る小舞が好き。笑ったり泣いたりする演技も楽しい」と楽しそうに語る。一方、小二の狩野創太君(7つ)の付き添いで稽古を見守った母親のかおりさん(46)は「息子のおかげで狂言のファンになった」と楽しんでいた。

 奥津は「今の子どもは塾通いに忙しく、ゲームで大きな声を出して遊ぶ時間も少ない。狂言を通して百二十パーセントの声を出し、一生懸命努力して何かを得る体験をしてもらいたい」と“小さな狂言師たち”に向き合う。

 来年一月六日には子どもたちも出演する発表会がセルリアンタワー能楽堂で行われる。入場無料。 (小林泰介)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報