東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 伝統芸能一覧 > 記事

ここから本文

【伝統芸能】

22歳 浪曲のホープ 国本はる乃、師と勝負の春

 浪曲界の新星、国本はる乃(22)にファンの熱い視線が注がれている。9歳で第一人者の国本晴美(80)に入門して以来、めきめきと力を付け、高音も低音も自在に操る美声で、将来を期待されている。3月24日には師匠の芸道70周年の記念公演で師弟共演を披露する。「師匠の晴れ舞台。教わった芸のすべてを出し切りたい」と気合を入れる。 (神野栄子)

 茨城県稲敷市で育ったはる乃は、幼少期からピアノを習っていたが、寄席文字書家の父が仕事柄、晴美と知り合いだったことから門をたたいた。土、日曜は千葉県成田市の師匠宅まで通い「意味の分からないせりふばかりでつらかった。泣きながら稽古していた」と振り返る。

 しかし、覚えは早く、高校卒業前の二〇一三年十二月には、東京・浅草木馬亭の浪曲定席に出演、プロの道に進んだ。「今は話の内容が分かってきて、演じる難しさを感じる日々です」と浪曲の奥深さに向き合っている。エネルギッシュで伸びやかな語り口、高音と低音でメリハリを付ける発声が“天才的”と評される。特におなかの底から出す太い声には迫力がある。「師匠におなかを押されて声の出し方を修業した」。それが舞台に生きている。

 師の晴美は弟子の成長を温かく見守る。一五年暮れに五十五歳で死去したスター浪曲師だった長男武春さんの姿に重ね「声が素晴らしいし、勘もいい。武春の生まれ変わりかもしれない」と語る。一九四八年にこの道に入り「集大成」と位置づける今回の舞台では得意の任侠(にんきょう)物を披露する。はる乃と一緒に舞台に立つ企画もあり、楽しみにしているという。

 はる乃は古典を中心に持ちネタも約二十演目に増えた。「二十代のうちに、多くの人が知っているような話を浪曲化して若者に聴いてもらえるようにしたい」。浪曲の普及にも意欲を燃やす。

 記念公演は浅草木馬亭で午後一時開演。武春堂=(電)044・854・9208。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報