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【伝統芸能】

43年ぶり三代能 九皐会直系 観世喜之、喜正、和歌

 能楽シテ方観世流の三世観世喜之(よしゆき)(82)と長男喜正(よしまさ)(47)、喜正の長女和歌(わか)(7つ)による「三代能」が5月3日、東京・銀座の観世能楽堂で開かれる。1975年に二世喜之と当代喜之(当時武雄)、4歳だった喜正がお披露目の会を開催。今回は曲目などもほぼ同じ構成で「直系三代能」を再現する。和歌は初シテ(主役)となる。喜之は43年前を思い出しながら「後を継ぐ者がいることは幸せ」と喜びをかみしめている。 (神野栄子)

 喜之は同流の名門の一つ、観世九皐会(きゅうこうかい)の当主で、東京・神楽坂の矢来能楽堂を拠点に定例公演などを開催している。三代能について、喜正は「父が元気で、娘も子方(子役)で舞台に出るようになり、このタイミングと思った。一世代スライドさせて、当時と同じ舞台をやってみたかった」と話す。

 九皐会の特徴を喜正は「所作は歯切れよく、謡(うたい)も多くの人に伝わるように分かりやすくと伝え聞いてきた」と説明。その流儀を守りながらも、自身や一門の能楽師たちは斬新でユニークな舞台も打ち出している。

 今回、喜之は父の二世喜之が四十三年前に舞った「鷺(さぎ)」に挑む。「十五歳までと還暦すぎの能楽師しか舞えないという曲で、清らかさがにじみ出るように自然体で表現したい」

 喜正の「熊野(ゆや)」には四つの小書き(特殊演出)をちりばめた。「小書きにある難しい歩き方を初めて披露する。細やかな演出を丁寧に表現したい」と意気込む。和歌は、父の喜正が四歳の時に舞った祝言曲「合浦(かっぽ)」に挑む。人魚のような生き物を里人が助け、恩返しをするというファンタスティックな物語。三歳ごろから祖父と父の手ほどきを受けた和歌は「謡をやると、音楽の授業の歌もうまくなる」と目を輝かせる。

 近年、プロの女性能楽師が増えていて、喜正は「それに伴い女性ファンも増えた」と話す。喜之も「この三代能が女性能楽師がもっと登用される機会になってほしい」と力を込めた。

 のうのう事務所=(電)03・3266・1020。

 

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