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【伝統芸能】

地元でもごひいきに 歌舞伎全国巡業 30日スタート

 毎年夏に歌舞伎役者が全国を巡業する恒例の「松竹大歌舞伎」のうち東コースと中央コースが30日にスタートする。全国公立文化施設協会(公文協)の主催で、1967年に始まり、81年からは東西の2コースに分かれ、85年からは3コースで実施。東日本大震災があった2011年は西コースだけの開催となったが、歌舞伎になじみの薄い地方都市での普及に一役買ってきた。立ち上げ半世紀を経た今年は今を時めく花形の競演となる。 (安田信博)

 東コースでは、尾上菊之助が五代目尾上菊五郎(一八四四〜一九〇三年)の当たり役だった「曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)」(河竹黙阿弥作)の侠客(きょうかく)・御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)をつとめる。さらに、六代目菊五郎(一八八五〜一九四九年)ゆかりの舞踊「高坏(たかつき)」で、初役の次郎冠者に挑む。

 げたでタップを踏むという独創的な趣向の「高坏」は、米国で当時流行していたタップダンスに着目した六代目が宝塚歌劇団の担当者と一緒に考案したユニークな演目。菊之助は「すごい人だったと思う。酒を飲んで浮かれながら踏むタップ。ふんわりした雰囲気を出したい」と意欲を語った。

 舞踊「近江のお兼」は、女形のホープ中村梅枝がつとめる。

 中央コースは、八代目中村芝翫(しかん)、長男の四代目橋之助、次男の三代目福之助の親子同時襲名披露興行の締めくくりとして催される。

 世話物の代表作「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」では親子共演が実現。芝翫が左官長兵衛を、橋之助と福之助が手代文七と鳶頭(とびがしら)伊兵衛を、前半(Aプロ)と後半(Bプロ)で役代わりして演じる。芝翫は一昨年十月から始まった襲名披露興行を振り返り「せがれたちも少しは(役者として)大きくなったと感じる」と明かす。「人情の温かさ、心の優しさにあふれた作品を通して、勇気と喜びを与えられる舞台を届けたい」と意気込みを語った。

 おかしみのある人気舞踊「棒しばり」では、橋之助が次郎冠者、福之助が太郎冠者に初挑戦。酒を飲み不自由な姿で踊り興じるという難役である。橋之助は「小さいころからお芝居ごっこでやっていた大好きな演目。楽しんでいただけるように精進したい」、福之助は「兄と息を合わせて頑張りたい」と語った。

 東コースは東京・江戸川区総合文化センターを皮切りに、七月三十一日の神奈川・よこすか芸術劇場まで二十五会場。中央コースは埼玉・上尾市文化センターを皮切りに、七月二十九日の神奈川・鎌倉芸術館まで二十二会場を巡演する。

 残る西コースは八月三十一日にスタート。片岡愛之助、中村壱太郎らが出演する。チケットWeb松竹=(電)03・3545・2200(午前十時〜午後六時)。

 

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