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【伝統芸能】

<若き「和」を訪ねて>93歳の指導にピリッ 豊島区立目白小「日本舞踊教室」

 「トトン、トン」。夕暮れ時、JR目白駅(東京都豊島区)に近い日本舞踊の稽古場から力強い音が響く。板張りの室内では、区立目白小学校など地域の子どもたちが真剣な表情で日本舞踊のイロハを習う。

 「フラフラしない、体は真っすぐ!」。厳しく指導するのは花柳流の重鎮、花柳千代(93)。場の空気を和ませるかのように、補佐役の花柳千慶(ちけい)(70)が手取り足取りやさしく教え、バランスを取る。「基礎がしっかり体にしみついていると、次の動作が分かってくる」と千代。同小の卒業生という縁もあり、一九八八年から体育館などで体験教室を開き、子どもたちに日本舞踊の基本を教えてきた。

 宮沢晴彦校長(58)は「現代っ子は体がグニャグニャして体幹が弱い。日本舞踊には芯の通った動きがたくさんあり、心身を鍛えるのに最適」と話す。三年前からは「日本舞踊教室」として、他校の児童にも門戸を広げ、水曜と土曜の午後に稽古している。

 十四〜二十四日に神奈川県内各地で上演される「おやこ劇場」の舞台で、四人が「ぼうふら」という演目に出演する。追い込みの稽古に入っている五年生の内田紡希(つむぎ)さん(10)は「一生懸命稽古すると、学校のテストにも集中できる」。五年生の杉田結香(ゆいか)さん(10)は「飽きっぽい性格だったが、千代先生の厳しい指導で諦めずに頑張る力が湧いてきた」と目を輝かせる。

 三十年の節目について、千代は「学校と保護者の支援があってこそ続けられた。日本舞踊の魅力を知る子どもを一人でも増やせれば」と意義を話す。「公演で稽古の成果をしっかり発揮できれば、子どもたちの大きな力になるだろう」と語る。 (神野栄子)

<豊島区立目白小学校> 東京都豊島区目白。1929年、前身の高田町高田第5尋常小学校として授業開始。47年、目白小に校名変更。タブレットなどICT(情報通信技術)環境を生かした学習が盛ん。本年度の児童数593人。

 

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