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【伝統芸能】

大鼓の柿原崇志、人間国宝に 「能舞台支える影のコンダクター」

 文化審議会は、能楽囃子(はやし)方大鼓(おおつづみ)の柿原崇志(かきはらたかし)(77)を重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう文部科学相に答申した。政府は秋にも答申通り告示する。約六十年前に上京し、この道一筋に歩んできた柿原は「こんな高齢で、思いがけないこと」と喜びを語った。

 「ヤー」「ハッ」という掛け声、「カン」と甲高い音を響かせる大鼓。能の舞台でリズムを刻んでいく重要な役割を担う。

 福岡県大牟田市生まれ。会社員だった父は戦後、大鼓方高安流の安福春雄(やすふくはるお)(人間国宝、一九八三年死去)に師事、プロの大鼓方に。中学生の頃、その父が自宅で弟子に稽古を付けているのを横で聞き「やってみたい」と父に弟子入りした。

 飛躍したのは高校卒業後、東京在住の春雄に内弟子として入門してから。学生服姿のまま上京して数日後「来週長野で能やるぞ」と切り出され、舞台に臨むことに。「春雄先生から福岡で稽古してもらった際に『だいたい良い』と言われたことはあったけど、すぐに舞台なんて。信頼されていたのかな」

 その後も機会を与えられ、シテ(主役)からの指名も相次いでいった。長年にわたって手掛けてきた作品は「道成寺」「関寺小町」をはじめ多数に上る。「舞台を支え、影のコンダクターになることもある」と語る。息子たちや親族計五人が同じ道に入った。「先生に『高安流を増やしますよ』と言っていたのが、実現しました」と笑った。

 

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