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【伝統芸能】

<新かぶき彩時記>「金閣寺」の大膳と東吉 キャラの立った対決

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 天下を狙う謀反人と、さっそうとした知将。キャラの立った対決も楽しいのが「金閣寺」です。

 足利将軍の母・慶寿院を金閣寺の楼閣に幽閉し、横恋慕する雪姫を監禁した松永大膳。そこに仕官を願ってやって来たのが此下(このした)東吉という武将。二人は囲碁で勝負を始めます。青白い形相と王子(おうじ)という鬘(かつら)が特徴の大膳は「国崩し」というスケールの大きな敵役で、大人の色気もある役。一方東吉は白塗りに生締(なまじ)めという鬘で、りりしい「さばき役」という役柄です。そんな二人が碁を打ちながら、義太夫の伴奏に乗ってリズミカルな台詞(せりふ)でかけあう「ノリ地」の演出が楽しい。実は東吉は主・小田春永の命で金閣寺を探る密命を持ち、勝負中も常に内部をうかがうような心持ちが必要です。

 碁で東吉に負けて怒った大膳は井戸に碁石入れを投げ入れ、手を濡(ぬ)らさずに取り出せと難題を吹っかけます。東吉は、はずした雨樋(あまどい)に滝の水を通して井戸へと流し、浮かんできた碁石入れを扇ですくってみせます。その知恵に感心した大膳は東吉を召し抱えますが、東吉は慶寿院と雪姫を救出し、大膳に戦場での再会を約束します。

 東吉も大膳も「演じていて気分のいい役」。東吉のモデルは豊臣秀吉で、歌舞伎の時代物では正体を隠した知将役が多いのが特徴です。 (イラストレーター・辻和子)

 

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