東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 伝統芸能一覧 > 記事

ここから本文

【伝統芸能】

豪華顔触れ 信頼の共演 15日「推薦名流舞踊大会」

 秋の舞踊シーズンの先陣を切って、流派を超えた舞踊家が芸を競う「第54回推薦名流舞踊大会」(東京新聞主催)が15日、東京・国立大劇場で開催される。春に開かれる本紙主催「女流名家舞踊大会」と異なり、こちらは男女の競演。特に今回は二人立ち、連れ舞の作品が並び、多彩な舞台が期待される。 (日本舞踊研究家・濱口久仁子)

◆春素娥が連れ舞「弟子と息合わせ」

 十回目の記念の出演となる藤間春素娥(はるそが)は、義太夫の大曲「蝶(ちょう)の道行(みちゆき)」を弟子の藤間春親(はるちか)と踊る。お家騒動に巻き込まれて命を落とした恋人同士が蝶となり、蜜月時代の回想から地獄の責め苦にあえぐまでを描く作品。春素娥は「推薦名流で、ぜひ、踊りたいと思っていました。悲恋で、後半は壮絶な責め苦を描きますが、前半の仲むつまじい様子は楽しく踊りたい。春親は私の筆頭名取で、『吉野山』などで度々共演してきました。連れ舞というのは、回を重ねるたびに息が合ってくるものですね」と話す。

◆恵右衛門と亜寿菜「二人椀久」に挑む

 長唄「二人椀久(ににんわんきゅう)」を踊るのは花柳恵右衛門と花柳亜寿菜(あすな)で、共に日本舞踊界の重鎮、花柳寿恵幸(すえゆき)門下。寿恵幸は亜寿菜の大叔母で、恵右衛門の幼少からの師匠でもある。この作品は、大阪の豪商椀屋(わんや)久兵衛が遊女松山との仲を引き裂かれ、正気を失い松山の面影を求めてさまよう、切なくもドラマチックな内容。亜寿菜は「あこがれの舞踊作品でした。夢がかなって本当にうれしい」と喜びを口にし、恵右衛門は「亜寿菜とは小さいころから一緒に稽古してきた仲なので、気兼ねなく踊れるのはありがたい。久兵衛はやればやるほど難しい役です」と語る。亜寿菜は本紙主催「全国舞踊コンクール」邦舞部門で優勝した実力をもつ傍ら、バレエやジャズダンスの舞台や振り付けもこなす。恵右衛門は大沢健の名で映画、テレビ、舞台で活躍する俳優でもある。日本舞踊以外の芸能にも才能を発揮する二人の舞台は、古典の品格を保ちながら、現代的な雰囲気も併せ持つ。今後の舞踊界に、大いに貢献してくれるだろう。

 師匠とまな弟子、幼少からの相弟子、それぞれ信頼関係の上に作り上げた芸は、ゆるぎない舞台を見せてくれるに違いない。

 ほかにも、雷と女船頭のやりとりを描く「雷船頭」(出演は菊月藍祥(あいしょう)と西川楽晶(がくしょう))、江戸の男女の物売りの姿を描く「団子売(うり)」(同花柳橘弥(きつや)と花柳翁麗(おうれい))、大伴黒主(おおとものくろぬし)と小町桜の精が織りなす舞踊劇「関の扉(と)」(同宗山流胡蝶(むねやまりゅうこちょう)と花柳琴臣(ことおみ))と、個性ある二人立ちの注目作品が楽しめる。

 ◇今年の「推薦名流」では、11流派の22人が16演目を踊るほか、全国舞踊コンクール入賞者や子供らによる舞も披露。午前11時開演。入場料は前売り7000円、当日7500円(全席自由)。問い合わせは東京新聞文化事業部=(電)03・6910・2345。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報