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【ベルギー奇想の系譜展】

謎解き!奇想ワールド(2)

写真

Q.この絵は左下の人物が見た夢を描いています。何の夢でしょうか?

(1)パーティー

(2)戦争

(3)地獄

 ◇ ◇ ◇ ◇

<解説>

☆答え (3)地獄

ヒエロニムス・ボス工房《トゥヌグダルスの幻視》 1490−1500年頃 油彩、板 ラサロ・ガルディアーノ財団 (C)Fundacion Lazaro Galdiano

写真

◆異形の悪魔 七つの大罪

 絵の真ん中には、尖(とが)った鼻をもつ男の顔。その周りには裸の小さい人がたくさんいて、水浴びをしていたり、寝転んでいたり、鳥のような生き物にまたがっていたりする不思議な場面が広がっています。左下で赤い上着を着て眠る騎士のトゥヌグダルス。彼が三日間、仮死状態に陥った時に見た夢の世界−そこはこの世で罪を犯した者が死後送られる、恐ろしい地獄でした。

 右上のベッドで眠る人は「怠惰」の罪で怪物に襲われています。その下で「大食」した人は、大きな壺(つぼ)から無理やりワインを飲まされ苦しんでいます。中央の桶(おけ)の人物は、水ではなく、大男の鼻から落ちてくるコイン(貪欲の象徴)を浴び、「邪淫」の罪に問われているところです。右奥には地獄の炎に包まれた町の様子も見えます。トゥヌグダルスは、後ろにいる羽の生えた天使の導きで、夢の中でこの地獄の恐ろしい懲罰を目の当たりにし、目覚めた後に心を悔い改めたと言われています。

 十五世紀の終わりから十六世紀の初めごろに描かれたこの奇妙な絵は、当時よく知られていた物語をあらわしています。

 あの世の光景を細部までリアルに描き出し、豊かな想像力で人間、鳥、魚、昆虫などを自由自在に組み合わせて悪魔や怪物を作り出したこの作品は、ベルギー芸術の奇想のルーツとも言える一枚です。

 (林寿美=インディペンデント・キュレーター)

■ベルギー奇想の系譜

 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

◇会期 9月24日(日)まで。8月22日は休館日

◇会場 Bunkamura ザ・ミュージアム JRなど渋谷駅下車

◇開館時間 午前10時〜午後6時(金・土曜日は午後9時まで)。入館は閉館30分前まで

◇入館料 一般1500円、高大生1000円、小中生700円

◇問い合わせ ハローダイヤル=(電)03(5777)8600

 

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