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【ベルギー奇想の系譜展】

謎解き!奇想ワールド(3)

ピーテル・ブリューゲル(父)[原画]《傲慢》(部分) 1558年 神奈川県立近代美術館

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Q.この孔雀(くじゃく)は、ある感情を表しています。それは次のうちどれ?

(1)傲慢(ごうまん)

(2)好意

(3)興奮

 ◇ ◇ ◇ ◇

<解説>

☆答え (1)傲慢

ピーテル・ブリューゲル(父)[原画]《剛毅》 1559−1560年 エングレーヴィング、紙 神奈川県立近代美術館

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◆動物に例えた人の強欲

 答えは「傲慢(ごうまん)」です。カトリック教会における「七つの大罪」のひとつで、人間を死にいたらせる罪の原因となる欲望や感情を指し、教会ではそれを戒めるように人々を説きました。他の大罪としては「嫉妬」「激怒」「怠惰」「貪欲」「大食」「邪淫」が挙げられ、中世の絵画ではそれぞれが動物の姿であらわされています。

 孔雀(くじゃく)は、色鮮やかな羽を大きく広げ、その華やかさで他者(実際にはメスですが)を引きつけようとすることから「傲慢」のシンボルとされたのでしょう。孔雀のすぐ横にも、同じように着飾ってうっとりと鏡をのぞき込む女性の姿が描かれていますね。

 ちなみにこの版画の原画を手がけた十六世紀の画家ピーテル・ブリューゲルは、《剛毅(ごうき)》という作品で「嫉妬」を七面鳥、「激怒」を熊、「怠惰」をロバ、「貪欲」をヒキガエル、「大食」を豚、「邪淫」を雄鶏(おんどり)で表現しています。なぜそれらの動物が選ばれたのかが、なんとなくおわかりでしょう。

 ブリューゲルは幻想世界を描いた巨匠ヒエロニムス・ボスの継承者とも言われ、ボスの構図やモチーフ(主題)にならった作品を手がけて人気を博しました。ただし、悪魔や怪物など異形の生物を徹底的に描いたボスに対して、ブリューゲルは農民たちの生活を題材として絵の中に取りこんだことでも知られています。

 (林寿美=インディペンデント・キュレーター)

■ベルギー奇想の系譜

 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

◇会期 9月24日(日)まで。8月22日は休館日

◇会場 Bunkamura ザ・ミュージアム JRなど渋谷駅下車

◇開館時間 午前10時〜午後6時(金・土曜日は午後9時まで)。入館は閉館30分前まで

◇入館料 一般1500円、高大生1000円、小中生700円

◇問い合わせ ハローダイヤル=(電)03(5777)8600

 

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