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【ベルギー奇想の系譜展】

謎解き!奇想ワールド(4)

(c)ADAGP, Paris&JASPAR, Tokyo, 2017 E2682

写真

Q.これはある作品の一部です。タイトルは何でしょう?

(1)平和

(2)親子

(3)大家族

 ◇ ◇ ◇ ◇

<解説>

☆答え (3)大家族

ルネ・マグリット《大家族》1963年 油彩、キャンヴァス 宇都宮美術館(C)ADAGP,Paris&JASPAR,Tokyo, 2017 E2682

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◆現実を超えた想像の翼

 大きな鳥が、今まさに飛び立とうとするかのように羽を広げています。ところが、見えるのは鳥のシルエットだけで、なかには青空が描かれています。そしてその明るい世界とは反対の、どんより曇った海辺の景色が外側に広がっています。波も高く、嵐の前のようなおどろおどろしい雰囲気すら感じられます。

 今回のクイズは少し難しかったのではないでしょうか。青空は《平和》を、小さなものを包み込む鳥は《親子》を思わせる存在です。ところが、作者ルネ・マグリットが絵につけた題名は《大家族》でした。

 マグリットは二十世紀のシュールレアリスムを代表する画家のひとりです。シュールレアリスムは、日常のように見えながら現実を超えた、実際にはありえない世界を表現するスタイルです。なかでもマグリットは、言葉の持つ不思議な力を意識的に作品にとり入れました。常識から少しずれたような言葉とイメージで連想をかき立て、謎が謎を生むような画面を描き出したのです。

 《大家族》と名づけられたこの絵に家族の姿はどこにもありませんが、それは見る私たちの想像力に委ねられていると言っていいでしょう。マグリットの母国ベルギーでは、今も地域によって、オランダ語、フランス語、ドイツ語と異なる言語が使われています。そうしたお国事情も関係しているのかもしれません。

 (林寿美=インディペンデント・キュレーター)

■ベルギー奇想の系譜 

 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

◇会期 9月24日(日)まで。8月22日は休館日

◇会場 Bunkamura ザ・ミュージアム JRなど渋谷駅下車

◇開館時間 午前10時〜午後6時(金・土曜日は午後9時まで)。入館は閉館30分前まで

◇入館料 一般1500円、高大生1000円、小中生700円

◇問い合わせ ハローダイヤル=(電)03(5777)8600

 

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