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【シャガール 三次元の世界】

(3)わざとらしさの美学? 《のけぞる男》

 ストレッチか、はたまたベリー・ダンスか。

 骨格の限界を超えた姿勢をとるこの男が、何のためにこんな格好をしているのか大いに気になるところだが、それより興味深いのはサインの向きである。左上に逆さまに描かれているのだ。では絵自体が逆さまではないのかと思いたくなるが、事はそう単純ではない。シャガールは時々わざとこうした紛らわしいことをする。人物の顔や風景がひっくり返っている例は無数にあるし、制作時にも画面の向きを頻繁に変えていたらしい。どの向きに展示するかは、最終段階で決められたのかもしれない。

 展覧会場で道に迷った経験はないだろうか。順路が明示されていないと、次にどの作品を見たらいいのかわからない。こんな苦情は多いが、自由に見てほしくてわざと順路を出さない場合もある。今回の展覧会も作品を年代順に並べないので、順路は出さない方針だ。《のけぞる男》のように、時には振り返ったりして展覧会を楽しんでほしい。

 (東京ステーションギャラリー館長・冨田章)

■「シャガール 三次元の世界」展は16日から12月3日まで東京ステーションギャラリーで開催します。開館時間は午前10時〜午後6時(金曜日は午後8時まで)。入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし18日、10月9日は開館)と19日、10月10日。有料。問い合わせは同ギャラリー=(電)03(3212)2485=へ。

 

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