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【シャガール 三次元の世界】

(4)創造の霊感吹き込む 《たそがれ》

 たそがれ時には不思議なことが起こる。カンヴァスに向かうシャガールのもとに、どこからともなく恋人が現れて口づけをする。だが見えているのは顔だけなので、まるで鏡に口づけして、自分の顔が映っているかのようだ。するとロバの引く橇(そり)が屋根の上を飛び、街灯が脚を生やして歩き出す。画家のかたわらには、子どもを抱いた鶏がやって来る。恋人の口づけが、画家に創造の霊感を吹き込んだかのようだ。

 鏡に映ると言えば、額に入れたガラスの反射がひどくて、絵がよく見えないという苦情を時々いただく。照明のプロの手を借りて、映り込みが少なく、画面がテカったりしないような照明を工夫しているが、天井の高さや画面の状態などの条件で反射を100%抑えるのは難しい。最近では低反射ガラスなどもあるが、まだ十分に普及しているわけではないし、借用してきた額のガラスを勝手に取り換えるわけにもいかない。苦情ならぬ苦しい事情をご理解いただければ幸いである。

 (東京ステーションギャラリー館長・冨田章)

■「シャガール 三次元の世界」展は16日から12月3日まで東京ステーションギャラリーで開催します。開館時間は午前10時〜午後6時(金曜日は午後8時まで)。入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし18日、10月9日は開館)と19日、10月10日。有料。問い合わせは同ギャラリー=(電)03(3212)2485=へ。

 

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