東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > イベント情報 > 美術一覧 > シャガール 三次元の世界 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【シャガール 三次元の世界】

(6)色彩画家の真骨頂 《紫色の裸婦》

 中央にいる三角帽子の人物はアルルカン、イタリア喜劇に登場する道化だ。右手に青い山羊(やぎ)とラッパを吹く人物、左側には三日月、そして花束を持つ紫色の裸婦が座る。画面下部に家並みが描かれているので、彼らは宙に浮いているようだ。

 道化や動物が浮遊し、華やかに彩られた画面とくれば、シャガール・ワールド全開である。特に裸婦の紫色のように、暗い調子の中で強い輝きを放つ色彩の使い方は、色彩画家シャガールの真骨頂と言える。

 図録の色が悪い、という耳に痛い指摘をしばしばされる。確かに実際の作品と色が違っては興ざめである。ただ、この裸婦の紫色のような微妙な色をぴたりと合わせるのはプロでも至難の業だし、海外展の場合など、実物を見て色校正できないケースがほとんどだ。展示室の光の状態でも違って見えるのが色というもので…などと理由を連ねてみるが、どれも言い訳じみて聞こえてしまう。図録の色に関して、制作側の旗色はあまり良くない。

 (東京ステーションギャラリー館長・冨田章)

  =おわり

■「シャガール 三次元の世界」展は16日から12月3日まで東京ステーションギャラリーで開催します。開館時間は午前10時〜午後6時(金曜日は午後8時まで)。入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし18日、10月9日は開館)と19日、10月10日。有料。問い合わせは同ギャラリー=(電)03(3212)2485=へ。

 

この記事を印刷する