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ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ

(上)ヴェロニカ 愛・寛容・苦難 息づく瞳

1945年頃 油彩 ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館蔵 Photo(C)Centre Pompidou,MNAM−CCI,Dist. RMN−Grand Palais/image Centre Pompidou,MNAM−CCI/distributed by AMF

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 「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」展(東京新聞など主催)が、パナソニック 汐留ミュージアム(東京都港区東新橋)で開催されている。二十世紀フランスを代表する画家ルオーの没後六十年、同ミュージアムの開館十五周年を記念する本展の出品作品から三点を選び、各界の著名人に紹介してもらう。

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 じっとこちらを見つめる、大きな黒い目。凝視には緊張感がつきまとうものだが、その視線には、緊張感よりも、すべてを受け止めようとする慈愛が溢(あふ)れている。控えめに開かれた唇にも、優しい印象がある。

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 彼女の名はヴェロニカ。十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かうイエス・キリストに対し、汗を拭くためにと、身につけていたヴェールを差し出した伝説的な女性だ。やがて戻されたヴェールにはイエス・キリストの顔が写っていたという。

 ヴェロニカの瞳は、底無しの湖。そこには、愛と寛容と苦難がひっそりと息づいている。画面のブルーも印象的だ。ひそかに思う。このヴェロニカの顔は、描いた画家ルオーの顔に、似ているのではないかと。目を合わせていると心が静まる。

  (蜂飼耳(はちかいみみ)=詩人)

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 12月9日まで開催。水曜休館(ただし11月21、28日、12月5日は開館)。開館時間は午前10時〜午後6時。ただし10月26日、11月16日は午後8時まで。いずれも入館は閉館の30分前まで。入館料など問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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