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モネ それからの100年

<中ザワヒデキ×辛酸なめ子 往復書簡> (7)辛酸なめ子が選ぶ現代作品 福田美蘭「睡蓮の池」

福田美蘭「睡蓮の池」2018年 作家蔵=横浜美術館で

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◆人工美の中に「モネ」見いだす

 眼科医でもある中ザワさんが「網膜」という単語を出すと説得力があります。緑を眺めると目に良いと言われていますが、晩年のモネは目の病気になってしまったとは…。でもそれを感じさせない作品です。

 澄んだ瞳で自然の中の美を見つめたモネ。いっぽう、正反対の人工美の中にモネの要素を見いだしたのが福田美蘭氏の作品です。睡蓮を思わせるテーブルにグラスが置かれ、遠くに見えるのは木々ではなく林立するビル。富裕層が集う高層階のレストランか、写り込んだ白いシャツの恰幅(かっぷく)の良い男性にもVIP感が漂います。モネの睡蓮も素敵(すてき)ですが、現代人としてアドレナリンが出るのはこちらのシーンかもしれません。自然の風景以上にうつろいやすく儚(はかな)い栄華。視覚が煩悩を刺激します。 (終わり)

      ◇

 「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催)は、横浜美術館(横浜・みなとみらい)で9月24日まで開催中。開館時間は午前10時〜午後6時。ただし8月31日、9月14日、21日(いずれも金曜日)と15日、22日(同土曜日)は午後8時30分まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで。木曜休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=(電)03(5777)8600。

 

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