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モネ それからの100年

(2)クロード・モネ「サン=タドレスの断崖」 太陽の光、素直に美しく

1867年、油彩・キャンバス、松岡美術館蔵

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 今回展示されているモネの名作「睡蓮(すいれん)」のシリーズは、さすがに代表作にふさわしい輝きを会場で放っている。その「睡蓮」も、私は、昔はもっと具象に近く描かれていた印象があったが、実物を前にすると、やはり光と空気を描いていることに驚いた。細かい光の変化を表すために、点描まではいかないが細かい筆のタッチで水面や葉っぱの光の変化を描いている。

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 一八六七年の《サン=タドレスの断崖》という風景画がある。私は昔から、この絵が大好きである。断崖の側面にあたる太陽の光をこれほど素直に美しく描いて表現できるモネの絵描きとしての天性の感受性と技量の深さにいつも驚かされ感動する。その断崖の向こうの空と雲の色とタッチは天才としか言いようがない。この夏の美しい断崖の時間と空気を定着させた技量は言葉も出ないくらいの素晴らしさだと思う。モネは光と空気を探った画家である。 (六平直政=俳優)

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 「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催)は、横浜美術館(横浜・みなとみらい)で24日まで開催中。開館時間は午前10時〜午後6時。ただし14日、15日、21日、22日は午後8時30分まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで。木曜休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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