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【全日本大会】

[総合]直接対決から7年 学童の両雄、そろってプロの舞台へ

2011年、準々決勝で対決した長曽根の西川(右)と小名浜の西巻(左)

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 ことし、かつてこの大会で戦った、ふたりの選手がそろってプロ入りを果たした。西武・西川愛也(長曽根ストロングス→花咲徳栄高)と楽天・西巻賢二(小名浜少年野球教室→仙台育英高)。ふたりは2011年の第31回大会準々決勝で戦い、その後、西川のいた長曽根が優勝した。将来が嘱望される、ふたりの大型ルーキーのルーツとは…。

◆2011年プレーバック 長曽根2−1小名浜

 過去3度の優勝を誇る大阪・長曽根ストロングスは、初戦でJBC玉城(三重)をエース・西川愛也が完封し1−0で勝つと、その後も快勝を重ねた。準々決勝で西川同様、エースで1番打者の好選手・西巻賢二を擁する福島・小名浜少年野球教室と対戦。初回に西巻の二塁打から、小名浜に先制を許すも、直後に西川の安打から連続押し出し四球で逆転、2−1のまま逃げ切り、辛くも勝利を収めた。長曽根はその後、茎崎ファイターズ(茨城)との準決勝、守山ボーイズ(愛知)との決勝を大勝し、ついに6年ぶり4度目の優勝を果たした。

◆西武・西川愛也(大阪・長曽根ストロングス出身) 強い気持ちと忍耐力を学ぶ

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 大阪府堺市北区長曽根町出身。西川が「友達に誘われて」長曽根ストロングスに入団したのは小学2年生のときだった。

 「一番、近かったので。そんなに強いチームとは知りませんでした」。そのとき、すでに長曽根は全国優勝3度を誇る“常勝軍団”。そこで熊田耐樹監督と出会い、全国一を目指した日々が、西川のその後を決定づけることになる。

 当初、楽しいだけだった西川の野球がガラリと変わったのは、4年の冬だった。上級生に合流し、一気に全国レベルの練習に放り込まれた。「打球が速くて、全然ついていけなくて」。練習をサボりがちになったことも。「監督に呼ばれて、怒られましたね。あれで、全国を目指す気持ちになりました」

 5、6年生と続けて全国大会に出場し、6年生では日本一に。「うれしかったですね。いまもはっきりと、覚えています」。頂点を目指し、達成した学童野球での体験は浜寺ボーイズでプレーした中学時代、そして全国高校選手権で優勝した花咲徳栄高時代へと、真っすぐにつながってゆく。

 「去年、甲子園の決勝で守備に向かうとき、長曽根のユニホームが目に入ったんです。後輩たちが応援に来てくれてました。熊田監督とも目が合って。成長した姿を見せたい、と思いました」。甲子園でその思いを果たしただけでなく、その活躍により、秋にはドラフト指名を受けることにもなった。

 「学童野球で学んだのは、強い気持ちと忍耐力。熊田監督には『虎になれ』って言われましたね」

 若獅子となったスラッガーは、そう言って端正なマスクを緩めた。現在、1番から9番まで、そうそうたるメンバーが並ぶ、西武の超重量打線。そこに割って入るのは至難の業ではあるが、近い未来、間違いなくそこに居場所を確保していそうな雰囲気を携えている。

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<西川愛也(にしかわ・まなや)> 1999年6月10日生まれ。小学2年から長曽根ストロングスで軟式野球を始め、6年生で全日本学童優勝、オリックスジュニアに選出。中学時代は浜寺ボーイズ(硬式)でプレー。花咲徳栄高では1年からベンチ入りし、3年夏には決勝で3安打するなど、同校初、埼玉県勢初となる夏の甲子園優勝に貢献した。17年西武ドラフト2位。180センチ、78キロ。背番号51。

◆楽天・西巻賢二(福島・小名浜少年野球教室出身) 初めての挫折 飛躍の原点に

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 第31回大会準々決勝のことを、西巻はいまもはっきりと覚えている。

 「長曽根は何度も全国優勝している強豪で、名前はよく知っていました。でも、僕ら小名浜は初回に良い感じで、先制できたんです」。しかし、直後に長曽根に逆転を許す。「先発の自分がストライクを取りにいって打たれ、逃げて四球、押し出し。しかも、マウンドで泣いちゃうっていう…。そのまま2−1で負けました。先頭打者が(西川)愛也だったんです。ライト前。鮮明に覚えてます」

 東日本大震災から、わずか半年足らず。練習もままならない中で再出発し、大げさに言えば、東北の期待を背負って出場した大舞台だった。この敗戦こそが、西巻の初めての挫折であり、もうひとつの原点なのかもしれない。

 地元・会津若松市で野球を始め、小学4年のときに小名浜少年野球教室に移籍。「全国を目指す」。明確な目標を持ち、2時間ほどをかけ練習に通った。メキメキと頭角を現し、全国出場を果たすもベスト8。その悔しさを晴らすがごとく、中・高でさらにステップアップを果たした。

 仙台育英秀光中に進み、須江航監督(現仙台育英高監督)のもと、3年時に全国中学選手権優勝。「投げる、守る、打つ、走る、だけではない、野球の深さを知り、考えました」。仙台育英高では1年でベンチ入りし、その年の夏の甲子園で準優勝、3年夏にもベスト8。「高校ではキャプテンを任されたことが大きな経験になりました。120人近くいるチームをまとめるには、自分の結果で一喜一憂せず、周りを見なければいけないんです」

 ことし、楽天入りを果たすや2軍で活躍し、フレッシュオールスターにも出場。8月には1軍で初ヒット、初打点を記録した。東北生まれ、東北育ち。抜群の守備力を誇る地元の星は、その輝きを日々、増している。

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<西巻賢二(にしまき・けんじ)> 1999年4月22日生まれ。小学2年から軟式野球を始め、4年のときに小名浜少年野球教室に入団。6年生で全日本学童8強、楽天ジュニアに選出。仙台育英秀光中(軟式)で主将を務め、3年のときに全国中学選手権優勝。仙台育英高では1年夏の甲子園で準優勝、主将を務めた3年夏はベスト8。17年楽天ドラフト6位。167センチ、68キロ。背番号67。

 

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