東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 地域のチカラ > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【地域のチカラ】

放置竹林で日本産メンマ 長野・飯田

市民団体「天竜川鵞流峡復活プロジェクト」が商品化したメンマをPRする曽根原宗夫代表=いずれも長野県飯田市で

写真

 輸入タケノコの増加や竹材の需要低下などの影響で放置され、「竹害(ちくがい)」と呼ばれて社会問題化する各地の竹林。そんな厄介者の竹を「メンマ」に加工、流通させようと、長野県飯田市の市民団体が挑んでいる。ラーメンなどでおなじみのメンマだが、国内で流通する99%は中国産など輸入品。放置竹林に悩む地域と全国組織を結成し、日本産メンマのブランド確立と竹林整備の一挙両得を目指している。 (伊勢村優樹)

◆味付け試行錯誤

 「シャキシャキした歯応えがたまらず、おつまみやご飯のお供にもなる」「今までのメンマと全く違い風味もいい」。今春、飯田市であったメンマ試食会。参加者からは歓声と驚きの声が上がった。

 開発したのは市民団体「天竜川鵞流峡(がりゅうきょう)復活プロジェクト」。天竜川舟下りの運航会社と飯田市の住民有志が二〇一五年に設立した。景勝地の鵞流峡一帯に生い茂る竹林を伐採して景観を整えている。これまでは、伐採した竹で灯籠などを作っていたが、新たに着目したのは高さ二メートルほどの幼竹。タケノコとして出荷するには遅すぎるが、メンマの原料には十分だ。

 プロジェクト代表の曽根原宗夫さん(54)は知人の紹介で、メンマ生産にいち早く挑戦した福岡県糸島市の市民団体「糸島コミュニティ事業研究会」の存在を知った。同研究会から製造法を学び、一六年からメンマ生産に乗り出した。素材の良さを生かす味付けなどに工夫を重ねた末、今春は約三百七十キロの竹を収穫し、千百三十九袋(一袋百グラム、五百円)に加工。飯田市内の催しで販売した分は、すぐに売り切れた。

天竜川鵞流峡復活プロジェクト開始前の竹で荒れた鵞流峡

写真

◆統一ブランドも

 同プロジェクトと同研究会は二〇一七年十二月、全国組織「純国産メンマプロジェクト」を立ち上げた。同月に京都市で開いた会合には、東京や千葉、静岡など二十二都府県から市民団体や自治体の関係者約六十人が参加した。

 林野庁によると、竹林は全国で拡大し、大阪府の面積に迫る十六万ヘクタールに及ぶ。このうち放置竹林の面積は把握できていないが、西日本を中心に景観悪化や不法投棄の温床になっている。

 曽根原さんは、かつての鵞流峡の竹林を「薄暗い上に、ごみの不法投棄の温床だった」と振り返る。地道な活動が少しずつ実を結び、現在はごみも八割減った。メンマ加工にも手応えを感じている。

 「最近は、メンマ畑に収穫に行くような気持ち。メンマ作りは竹林整備の継続の源になっている。統一ブランドで国産メンマを生産する構想もあり、さらに整備が進む仕組みにしたい」

<メンマの製造法> 高さ1・5〜2メートルに伸びた竹を材料に使う。堅い節を除いた部分をゆでて塩漬け発酵させ、ごま油やしょうゆなどで味付けして完成。糸島の団体などは中華そばに入れる味付けメンマに加え、メンマ入りのギョーザやカレーパン、キッシュなど、メンマの特徴を生かした料理の販売や検討にも力を入れる。

写真
 

この記事を印刷する

PR情報