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【ヒデキ!カンレキ!! 西城秀樹 感謝の歴史】

(3)リハビリ がんばる姿 見てほしい

イラスト・赤塚千賀子

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 毎朝九時に自宅を出て、歩いて五分ほどの公園に行きます。一周二百メートルほど。ここを四周歩くのが主なリハビリです。

 芸能人でもあり、病気をした直後はリハビリをしている姿を見られたくないのが正直な気持ちでした。でも、がんばるしかない。気持ちは重かったですが、散歩を日課にしました。

 公園には運動に来た年配の男性や犬を連れた女性など、さまざまな人が集います。通ううち「おはようございます」とあいさつを交わすようになりました。

 「足取りがしっかりしましたね」「夫も同じ病気になりましたが、すっかり回復しました。だから西城さんも大丈夫ですよ」。毎日続けるうち、こんな温かい言葉を掛けてもらったこともあります。多くの人が僕の体を気遣ってくれることを知り「ありがとうございます」という言葉が心から出るようになりました。

 百パーセントの力で走っていた若いころには気にも留めなかったことが、ありがたく感じられるようにもなりました。緑豊かな公園で、春には桜が咲きます。最近もキンモクセイの香りがしていたと思ったら、落ち葉が目立つようになりました。季節の移ろいや空を飛ぶ鳥、虫を見ても「ああ、みんながんばって生きているんだな」と感動します。

 二度の脳梗塞を経験しても生かされた身として、自分には何か使命があるのではないか。そう考えたとき、家族のため、待っているファンのためにも、リハビリを続けてステージでがんばっている姿を見せようという意欲がわいてきました。

 当たり前に手足が動き、すらすらと話せた方が良いとは思いますが、今の人生をできる範囲でがんばって生き、ありのままの自分を見てもらおう。公園での触れ合いで、そう考えるようになりました。 (歌手)

 

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