東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 言わねばならないこと > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【言わねばならないこと】

(16)市民から提言萎縮 地雷廃絶NGO理事・目加田説子氏

写真

 私は非政府組織(NGO)「地雷廃絶日本キャンペーン」(JCBL)のメンバーとして対人地雷やクラスター爆弾を禁止する運動に取り組んできた。日本政府は最初、防衛政策や日米同盟を理由に、いずれの禁止条約にも反対していたが、私たちが議員や官僚に働き掛けて、最終的に加盟した。

 当時、私たちは外務省や防衛省の担当者と何度も話し合った。信頼関係を築いて情報を出してもらい、時間をかけて説得した。だが、特定秘密保護法によって公務員の守秘義務が強化、厳罰化されれば「何でNGOに情報を出さないといけないのか」ということになる。信頼関係をつくるのは難しくなり、話し合いさえできなくなる恐れがある。

 私たちにしても、情報を得ようとして罰せられるのは怖い。政府側が威圧的な態度を見せれば自粛してしまう。そこまでリスクを冒して行動しようと思わなくなるかもしれない。

 そもそも、市民の側から政府に政策提言したり、政策転換を求める活動は、この国ではまだまだ定着していない。それがさらに萎縮してしまう。

 また、第三者の立場で条約が守られているか監視するのも私たちの役割だ。例えば、日本政府は保有する地雷やクラスター弾を本当に廃棄しているか。廃棄状況の詳細が「特定秘密」扱いされ、公開されなくなれば国際社会の信頼を失う。

 政府は「そんなことはない」と言うだろうが、それも分からない。何が「秘密」かも秘密で、知るすべはない。確かなことは変わるリスクが非常に高いということ。まだ遅くない。秘密保護法は廃止すべきだ。

 <めかた・もとこ> 1961年生まれ。中央大総合政策学部教授。NGO「地雷廃絶キャンペーン」理事。専門は国際公共政策、NGO論。

 

この記事を印刷する

PR情報



ピックアップ
Recommended by