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【言わねばならないこと】

(24)情報隠しの仕組み 情報公開NPO理事長・三木由希子氏

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 安倍政権は閣議と閣僚懇談会の議事録を公開するようになった。録音をせずに事務方のメモを基に原則三週間で公開している。だが、政府は公にすることにより、国の安全が害される恐れがある情報などは議事録に残さず、公開しない。非公開情報を記録しない議事録は、議事録とはいえない。記録が残っていなければ将来の検証や評価ができないからだ。政府は説明責任の意味を理解していない。

 こんな公開なら政権発足直後にもできたはずだ。特定秘密保護法成立の後で、しかも集団的自衛権の行使容認を閣議決定で決めようとしている今のタイミングで出てきたことに筋の悪さを感じる。

 公開すべきは閣議・閣僚懇よりも、それに先だつ閣僚会議。ここで重要な政策を実質的に決定している。議事録だけではなく、政府の意思決定に関連した文書類を一体的に管理することを義務付け、後に公開して検証を可能とすることが大事だ。

 政治に秘密はあると思うが、秘密保護法の特定秘密の指定の仕方は認められない。ある情報を非公開にするのは、非公開にする公益が公開した場合よりも高い場合であるべきだが、この法律にそうした発想はない。政府の活動が必ずしも公益とは限らないのに、秘密を守ることそのものを国益と考えている。

 秘密と非公開の範囲を最小限にとどめるとともに、政府にとって都合の悪い情報を隠せる仕組みはやめるべきだ。せめて秘密にするのなら、その後の検証手段を確実に用意しなければならない。そうしなければ、それに関わった人は無責任の集合体になる。

<みき・ゆきこ> 1972年生まれ。NPO法人・情報公開クリアリングハウス理事長。市民団体などが行う公的機関への情報公開を支援している。

 

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