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【言わねばならないこと】

(36)女性がレッドカード 元中央大教授・横湯園子氏

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 集団的自衛権の行使容認などに抗議し、赤のファッションを身につけて国会を包囲する「『女の平和』ヒューマンチェーン(人間の鎖)」が十七日、行われる。呼び掛け人の一人、横湯園子さんに聞いた。

 昨年の夏、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。悩み、眠れない日が続いた。ある夜明けに気づくと、「女の平和」という文字が目の前の宙に浮かんで見えた。すぐにベッドから起き、パソコンで調べると、古代ギリシャの戯曲「女の平和」が表れた。

 アテネと敵スパルタの女たちが手を結ぶ喜劇。男から性的なことを求められても拒むストライキを一斉に始め、弱った男たちに戦争終結を要求する。でも今回、さすがにこれはまねできない。だから北欧アイスランドのレッド・ストッキング運動をモデルに国会を囲もうと思い立った。

 この運動では一九七〇年代、女性たちが赤いストッキングをはいて家事を放棄した。そして大統領府前に集まり、女性の役割がいかに重要かを訴えた。やがて誕生した女性大統領は米ソ首脳会談のレイキャビク開催に尽力し、冷戦終結にもつながった。今回はこうした史実に思いを重ね、女たちからのレッドカードを安倍政権に示したい。

 海外で戦争ができるようになれば、逆に攻撃もされる。テロだって起こりうる。女性は人口の半分いる。子を戦場に送り出したくない、夫を殺されたくない−。そう訴えるのは大きな意味があり、力になる。

 私は不登校、ひきこもり問題と四十数年かかわってきた。今の子どもや青年、親を見ていると、戦争前夜かと思える。学校や社会で人間性が無視され、不適応を起こしている。いじめ文化、体罰文化もひどい。先生もものが言えなくなっている。「生徒を少年兵に」と言われたら高校は差し出しちゃうんじゃないか。

 十七日は国会前で午後一時から。私は赤いベレー帽を買った。目立つでしょ。赤いものを身につけて「殺し殺されるのはイヤ」との声を響かせよう。

<よこゆ・そのこ> 1939年生まれ。「『女の平和』ヒューマンチェーン(人間の鎖)」の呼び掛け人。北海道大、中央大の元教授。専門は教育臨床心理学。

 

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