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【言わねばならないこと】

(54)当事者として声を 「シールズ」メンバー・牛田悦正氏

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 参院で安全保障関連法案が採決された夜も、国会前の学生グループ「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)のデモで「野党がんばれ」とコールしていた。民意が法案に抵抗する議員を動かし、国会の中と外がつながっていると感じた。可決後も「選挙に行こうよ」と声を上げた。

 コールは広まると世論を形成する。「言うこと聞かせる番だ、国民が」というコールが好き。みんなが主権者だと感じられるから。

 政治家任せにせず、ものを言うことは責任が重い。未来を間違える可能性は常にあるし、もしかしたら安保法を認め強い国を目指す方がいいのかもしれない。

 でも、一人一人が孤独に思考し、判断し、行動することが大切。責任は自分で引き受けないといけない。哲学者のカントは、指示を仰がないと自分の理性を使えない人は大人じゃないと言った。

 メンバー(奥田愛基(あき)さん)が参院特別委員会に公述人として呼ばれた時、僕はその真後ろに座って、寝ている自民党議員たちをにらみつけていた。「まず議員を起こして注目させて」と書いたメモを渡して注意してもらった。

 そうしたら、議員たちは少し耳を傾けて「参考にする」と言っていたけれど、うそだった。だって特別委はそこから一ミリも審議しなかった。民意なんて聞く気がないんだとはっきり分かった。怒っているけど、諦めないと決意した。当事者は自分。国会は国民を映す鏡だと思い、自分のこととしてとらえないと。

 デモで社会は変わった。参加する一人一人に主権者の意識が生まれた。安保とは違うおかしな問題が出てきても、やっぱりまた声を上げるだろう。

 勉強やアルバイト、やるべきことをやりながら、来年夏の参院選でシールズは野党協力の器になる。法案に反対した議員を応援し、賛成議員を落選させる。自由で民主的な生活を守るために。

 <うしだ・よしまさ> 1992年生まれ。明治学院大4年。作家高橋源一郎氏とシールズ共著本「民主主義ってなんだ?」で対談に参加。

 

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