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【言わねばならないこと】

(73)無自覚こそ一番の問題 俳優・木内みどりさん

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 夫の水野誠一(元参院議員)が、二〇〇一年の静岡県知事選に中部電力浜岡原発の停止を訴えて立候補した。水野の父が浜岡原発の誘致に関わったが、水野自身は「東海地震が起きたら原発はもたない」と考えていた。そのころの私は「県民が白けるから原発の話はやめて」と頼んだほど原発に無関心だった。

 一一年三月十一日に私は変わった。東京電力福島第一原発事故で不安な日々を過ごしている中、京都大学原子炉実験所助教(当時)の小出裕章さんがラジオで「国が原発は安全だと宣伝してきたから仕方ないが、だまされた国民にも責任がある」と言った。それを聞いて私も責任を痛感した。

 英国・ロンドンの日本大使館前で脱原発のスピーチをした。ドイツのベルリンで行われた反原発デモでは「フクシマを忘れないで」という英語の横断幕を作って贈った。「女優なのに何をやっているんだ」という批判も受けるが、無自覚でいることが一番いけないと原発事故で気付かされた。

 自衛隊が戦争に巻き込まれる危険性がある安全保障法制でも、無自覚でいてはいけない。私は政治の仕組みや法律の中身には明るくないけど、野党があれほど危険だと反対したのに安倍政権は安保法を成立させた。国会の外では多くの国民が反対の声を振り絞っていたのに採決が強行され、民主主義がないがしろにされた。

 そういう意味で夏の参院選は私たち、特に若い人たちの十年後、二十年後の生活や人生を左右する政治家を選ぶ大事な選挙になると思う。「誰に投票したら良いか分からない」という無関心はもうやめにしましょう。一票を持っている人はその重さを自覚し、候補者の人柄を見て、また、原発や安保、福祉政策も知った上で判断してほしい。

 <きうち・みどり> 1950年生まれ。インターネット番組「市民のための自由なラジオLIGHT UP!」の司会を務める。

 

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