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【言わねばならないこと】

(89)冷静、愚直に平和叫ぼう 難民支援団体代表・宗田勝也さん

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 米国は国際法の手順を欠いたままシリアを攻撃した。安倍晋三首相は理解を示したが、暴力の応酬で問題は解決しない。中東の人たちに会うと、戦後に平和国家として再生した日本への信頼を実感する。それを生かして対話の場をつくるなどの役割があるはずだ。

 長引くシリア内戦で大量の難民が発生している。私は京都のラジオ局で二〇〇四年から世界の難民に関する情報を伝えてきた。一四年からは大学生と協力し支援の輪を広げてきた。活動を通じ、難民の存在は身近になってきたと思う。

 ただ、排外的な風潮も広がり始めている中で、難民の置かれている状況を正しく知ることが大切だと考えている。難民の受け入れ態勢を整えることは、広く弱者を包み込む社会を実現していくという面でも意味がある。自分と違う人を排除するのではなく。

 「難民」という集団で捉えるのではなく、個々人と向き合うと、それぞれの人となりや背景が分かる。同じ人間だと実感すると、自分がどう関わればいいか分かり、支援活動が活発化していくケースが多い。

 理想は、難民が発生しない平和な世界が実現すること。政府は安全保障関連法に基づき国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与したが、軍事的貢献が「積極的平和主義」とは思わないし、憎悪や難民が発生する紛争の連鎖から抜け出るための支援にはならない。

 米国と北朝鮮の緊張も高まっているが、あおられるのでなく、冷静さが必要。その上で国として平和を愚直に叫び続けることがすごく大事だし、政治家の決意でできることだと思う。

 日本を「戦える国」に変質させる安保法が成立して十九日で一年七カ月。宗田さんは難民支援の経験から日本の目指すべき平和主義を訴えています。

<そうだ・かつや> 1966年、京都府生まれ。難民支援団体「難民ナウ!」代表。同志社大客員准教授、龍谷大非常勤講師。吉本新喜劇で芸人として活動したこともある。

 

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