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【特定秘密保護法】

「特定秘密」4割弱に文書なし 政府、一部指定解除へ

 特定秘密保護法の運用状況を点検する衆院の情報監視審査会は二十九日、二〇一六年の年次報告書を議決し、大島理森(ただもり)議長に提出した。報告書によると一五年十二月末時点で指定されている特定秘密四百四十三件のうち、文書がない特定秘密が全体の四割弱、百六十六件あることが分かった。

 文書がない理由について、政府はあらかじめ指定したが、情報が得られなかったり、行政文書はないが、政府職員の知識を特定秘密に指定したりしたと説明した。報告書では「『あらかじめ指定』は極めて限定的になされるべきだ。知識としてのみ存在する情報の指定は、情報保護や漏えい防止の上で重大な疑問がある」と指摘している。

 同審査会での指摘を受け、政府は九件を指定解除、八件で新たな文書を作成するなどし、文書のない特定秘密は三十六件減る見込み。審査会メンバーの井出庸生(ようせい)議員(民進)は記者会見で「政府に、指定解除という重い措置を取らせることができた」と述べた。

 報告書提出は昨年に続き二回目。二十九日に議長に提出した報告書では、昨年の報告書の指摘に対し「十分な措置が講じられていない事項がある」として、政府に対し「適切な対応」を求めている。

 昨年の報告書では、期間満了前の特定秘密文書を廃棄する際は、独立公文書管理監に説明するよう要求。「特定秘密指定管理簿」に掲載される特定秘密文書のリストについて、どのような内容の文書が含まれているか、ある程度分かるように書き方を改めることも求めている。

 同審査会は昨年二月から今年一月まで、外務省や防衛省、国家安全保障会議(NSC)などが指定した特定秘密について、適否を審議してきた。警察庁に対し、作成から三十年を経過したスパイ活動防止に関する文書を、経済産業省に対しては、情報収集衛星の画像や分析情報など、計六件の特定秘密の提示を求めた。

 審査会は国会法に基づく「勧告」は行わず「意見」にとどめた。(我那覇圭)

<情報監視審査会> 特定秘密の指定や解除に問題がないかをチェックする衆参両院の常設機関。各8人の議員で構成する。審査は非公開の秘密会形式で実施。政府から秘密保護法の運用状況について報告を受け、毎年1回、審査結果に関する報告書をそれぞれの議長に提出する。必要に応じて特定秘密の提示を要求できるが、政府は安全保障上の理由などで拒否できるため、監視機能を十分に果たすことができないとの批判がある。

 

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