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【特定秘密保護法】

特定秘密 政府「恣意的運用ない」 指定期間中廃棄 制度見直し拒否

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 政府は十一日の衆院総務委員会で、特定秘密保護法に基づく「特定秘密」を記した公文書が、秘密指定期間中でも廃棄できる問題について「文書の廃棄は、首相の同意を得た上で行う。恣意的(しいてき)に廃棄されることはない」との見解を示し、制度見直しを拒んだ。

 民進党の逢坂誠二氏は、秘密指定期間が三十年以下の特定秘密を記した文書の保存期間が、秘密指定期間より短い場合、公文書管理法に基づき廃棄される可能性があると報じた本紙を紹介。「政府がこのルールを悪用すれば、国民は(特定秘密の)情報を知ることができない」と、秘密指定期間より文書の保存期間を長くする制度改正を求めた。

 公文書管理法を所管する内閣府の官房審議官は「保存期間が到来すれば廃棄できる」と認めた。内閣官房の内閣審議官は「歴史資料として重要な公文書は国立公文書館などに移管され、それ以外は首相の同意を得た上で廃棄する手続きを踏む」とし、「現時点で、何らかの特別な制度が必要とは考えてない」と述べた。

 逢坂氏は「現場は膨大な文書を少人数でチェックしている」として、実際には目が届かないことから制度改正が必要と強調した。

 政府の説明では、秘密指定が通算三十年で保存期間が二十年の公文書は、秘密指定されたまま二十年で廃棄される可能性が出てくる。 (中根政人)

◆恣意的廃棄チェックできるのか 長野県短大・瀬畑源助教

 特定秘密を記した公文書が秘密指定期間中に廃棄もできる問題で、政府は十一日、「恣意的(しいてき)な廃棄はない」として制度見直しを拒否した。公文書管理制度に詳しい長野県短大の瀬畑源(せばたはじめ)助教は「一般的な公文書の管理体制も十分でない中、政府内に(意図的な廃棄に対する)チェック体制が整っているか疑問だ」と本紙の取材に答えた。

 瀬畑助教は、秘密指定中の文書廃棄を容認した政府の答弁について「簡単に捨てられないような仕組みをどう構築するかが極めて重要なはず。『特定秘密を闇に葬る』との疑いを持たれても仕方がない」と指摘。

 首相の同意があれば、不適切な廃棄は防止できるという政府の説明についても「(特定秘密保護法の運用を監視する)独立公文書管理監の下で、文書廃棄が恣意的か検証する仕組みが厳密に決まっているのなら(もっと)具体的に説明すべきだ」と批判した。

 制度見直しの必要はないとした政府の主張に関しては「法改正をしなくても、現行法の範囲内でチェック体制強化は可能だ」と再検討を求めた。

◆衆院総務委の質疑・要旨

 十一日の衆院総務委員会で、特定秘密保護法を巡る逢坂誠二氏と政府のやりとりは次の通り。

     ◇

 逢坂氏 (秘密指定期間が三十年以下で)秘密指定期間より公文書の保存期間が短い場合、保存期間が終了すれば、文書を廃棄する可能性は。

 内閣府 保存期間が到来すれば廃棄できる。

 逢坂氏 国民感覚からすれば、特定秘密の指定期間と公文書の保存期間のずれは違和感がある。

 内閣官房 特定秘密保護法に基づく秘密指定期間と、公文書管理法に基づく保存期間は趣旨が異なる。

 逢坂氏 政府が悪用すれば、国民は(特定秘密の)情報を知ることができない。懸念はないのか。

 内閣官房 保存期間満了後、歴史資料として重要な公文書は国立公文書館などに移管され、それ以外は首相の同意を得て廃棄する手続きを踏む。恣意的に廃棄されることがない仕組みが設けられている。

 逢坂氏 文書が廃棄されて、秘密指定解除後に国民が特定秘密の内容を知ることは可能なのか。

 内閣官房 文書不存在になった場合に問題が生じる情報は、しっかり文書に残すべきだ。

 逢坂氏 秘密指定期間より文書の保存期間を長くとれば問題は生じない。

 内閣官房 現時点で何らかの特別な制度が必要とは考えていない。適切に管理されると認識している。

 

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