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【特定秘密保護法】

<特定秘密の今>(5)NSC 過剰指定疑い

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 外交・安全保障で首相官邸の司令塔機能を強化するための国家安全保障会議(日本版NSC)。衆院情報監視審査会の年次報告書によると、特定秘密保護法の施行前に開かれたNSC四大臣会合の結論は、すべて特定秘密に指定されていた。機密性が極めて高い情報を扱う場とはいえ、国会は政府の有事対応をチェックする役割を担うだけに、審査会は懸念を深めている。

 NSCは特定秘密法が成立した二〇一三年十二月にスタート。メンバーは状況によって異なるが、少人数の四大臣会合はこれまで計百九回開かれた。会合の結論は非公表で、自衛隊派遣などの重要政策が首相と一部閣僚によって密室で決まるという批判がある。

 報告書によると、同法が施行され、NSCが秘密指定をした一四年十二月以前の四大臣会合(計二十八回)の結論は「すべて特定秘密に該当」とした。その後は開催の度に特定秘密があるか確認しており、秘密指定されなかったケースもあるが、回数や内容は示されていない。

 普通に考えれば、一括して秘密指定された二十八回の中にも、指定の必要はないものが含まれている可能性は否定できない。審査会からは「外交日程等の終了に伴い、指定を解除していいものもあるのではないか」との疑問が出たという。

 政府は情報開示を迫る審査会に対し、南アジア情勢などを議題とした一五年十二月の四大臣会合の概要を説明。ほかの四大臣会合は「ケース・バイ・ケースで判断する」としている。

 審査会の委員の一人は、こうした政府側の対応について「指定の仕方が適正かチェックできない。過剰指定になっている疑いもある」と指摘する。

 審査会が心配するのは、一六年三月施行の安全保障関連法との関係。同法は、他国を武力で守る集団的自衛権行使で自衛隊が防衛出動する場合などに国会承認を定めているが、特定秘密が壁になって国会に十分な情報が提供されなければ、適切な判断はできない。報告書は「政府は平時に(有事の際の)情報提供のあり方を検討しておく義務がある」と求めている。 (宮尾幹成)

 =おわり

 

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