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糧ことば
東京新聞次世代研究所&リーママプロジェクト

<特別編>アスリートに聞きました! 「最後は、自分が負ければいい」

 毎日の子育てで、心の支えにしている言葉はありますか? 水曜朝刊4面に連載中の読者投稿企画「わたしの糧(かて)ことば」の特別編第4弾はアスリート編。競技の第一線で活躍するママ、パパ選手に、子育てをする上で糧としている言葉を聞きました。

◆ママのお仕事は練習、僕の仕事は遊び

 4歳、3カ月男児の母、フェンシング選手 佐藤希望(のぞみ)さん(31)

福井県出身。大垣共立銀行所属。リオ五輪フェンシング女子エペで日本女子初の8位入賞。全日本選手権では最多の5回優勝。

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 リオデジャネイロ五輪の半年前に、当時2歳の息子がかけてくれた言葉です。朝、練習場に隣接する託児所に息子を預けに行く途中でした。「心配しないで練習してきてね」という気持ちかな。私も頑張らないと、と思いましたね。

 当時は夫と離れ、東京で母子2人で暮らしていました。毎朝5時半に起き、朝食と息子のお弁当を作って車で練習場へ。息子を預けてトレーニング。帰ると家事が待っていて、きつかった。でも、時間が限られている分、ロンドン五輪の時より集中して練習できたので8位に入賞できました。息子には、帰国後、金色の折り紙を貼った手作りのメダルをもらったんですよ。

 今年6月に次男を出産し、競技に復帰するのはもうちょっと先かな。五輪の度に順位は上がっているので、東京大会ではメダルを目指したい。息子たちに勝つ姿を見せてあげたいです。

◆最後は、自分が負ければいい

 4児の父、サッカーJリーグ・FC東京 大久保嘉人(よしと)さん(35)

福岡県出身。2001年にプロデビューし、15年にJ1史上初の3年連続得点王。現在はFC東京に所属。日本代表では10、14年ワールドカップに出場。(写真は大久保さんのインスタグラムより)

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 いま12歳の長男が2歳ぐらいのときかな、この答えに至ったのは。育児を巡り妻とケンカしたままだと、気になって練習に身が入らない。それなら僕が考えを改めればいいと。サッカーで負けるのは嫌ですけど。

 2年前に妻が子宮の病気で入院したときもそう。家庭でやることが増え、試合に向けた生活を送りづらくなりました。でも、むしろ気合が入りましたよ。得点王にもなりましたし。子どものためなら自分を犠牲にできるんです。

 4人の子を風呂に入れるのが日課。全員男なので超大変です。生まれたばかりの四男を除いて一緒に寝ます。寝相が悪くて両側から僕の方に寄ってくるので、キングサイズのベッドなのに身動き取れなくて。でも1人より落ち着くんです。

 子どもからもらえる力ってある。大変なこともあるけど、そういうときこそ、自分が折れてでも、気持ち良く家を出たいですね。

◆無理はしない

 8歳男児の母、視覚障害の陸上選手 高田千明さん(32)

東京都出身。ほけんの窓口グループ所属。女子走り幅跳び(視覚障害T11)でリオ・パラリンピック8位、7月のパラ陸上の世界選手権で銀メダル。

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 先天的な弱視で、20歳前に視力を失いました。陸上を始めたのが22歳。その後、聴覚障害のある夫(デフリンピック400メートルハードル日本代表の裕士さん)と結婚、出産しました。

 この言葉は結婚前、弱視で双子を育てる先輩ママから言われたんです。障害があっても、なくても、子育ては大変。息子が生まれてから実感しましたね。

 息子が小さかったころは、体調も戻らないし、記録も出ない、練習時間も取れない…と悩みました。具合の悪い息子を家に置いていけなくて練習を休めば「家庭を理由に辞めるのか」と言われたり。でも、夫や周りの励ましもあり、競技も無理をしないで、やるところまでやってみようと。

 リオ・パラリンピックで自己ベストを更新して入賞でき、諦めずに続けてきてよかったと思いました。東京大会ではメダルを取って、息子にかけてあげたいな。

 文・奥野斐、對比地貴浩/写真・潟沼義樹、五十嵐文人

 

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