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糧ことば
東京新聞次世代研究所&リーママプロジェクト

<特別編>山崎ナオコーラさんら3人に聞きました

 子どもの入園や入学など、新生活を前に、親も心が落ち着かない季節。そんな時は、著名人が子育ての励みにしてきた「糧ことば」が、気分転換に役立つのかも。水曜朝刊で連載中の読者投稿企画「わたしの糧ことば」の特別編第5弾は、各分野で活躍中の3人に聞きました。

◆あんたのためにということばは いついかなる時も美しくない

 1児の親、作家 山崎ナオコーラさん(39)

福岡県生まれ。2004年に「人のセックスを笑うな」で文芸賞。昨年エッセー「母ではなくて、親になる」(河出書房新社)刊行。(写真は16年夏、本人提供)

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 大好きな漫画家、大島弓子さんの「サバの秋の夜長」に出てくるフレーズです。猫の世話に関する作者の言葉ですが、子育てにも言えると思っていて。「子どものために」というと押し付けがましく、きれいごとになりがち。「私がやりたくないから、やらない」などと思うようにしてます。

 子どもを育てていると、親が競争するような場面が多いなと感じます。保育園は入れる枠が少なく、椅子取りゲームみたい。うちの子も昨年、保育園に入れませんでしたが、私は「枠が少ないなら、他の人に取られてもいいや」と。自分に期待していないからです。

 多くの親が子どもに最善の場を与えようと頑張りますが、私はそこまでいい環境は作れない。自分もこれまでいい場所になかなか行けなかったけど、不幸ではないので、たとえ希望通りにならなくても、人生はそこそこ幸せかなと思います。

◆パパ こっかいがんばっているね

 小1女児・4歳男児の父、衆院議員 柚木(ゆのき)道義さん(45)

希望の党衆院議員(比例中国、当選5回)。岡山大卒、書店「有隣堂」勤務を経て2005年衆院選で初当選。超党派のイクメン議連共同代表。

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 衆院議員宿舎に飾っている娘の言葉です。国会議員は地元に「金帰火来」と言われる職業。家族は選挙区の岡山県倉敷市に住んでいて、娘たちとは毎日電話で話していますが、会えるのは基本的に週末だけ。平日朝は、国会議事堂の絵とともに書かれた娘の言葉に励まされています。

 国会議員として待機児童問題などについて取り組む一方、超党派のイクメン(育児と家事に積極的な男性)議連の共同代表を務めています。長女が生後3カ月のとき、泣きやまなくてきつく当たってしまい、ハッとわれに返り、世の中のお母さんは毎日こうしているんだと実感したことがきっかけです。妻が最も必要としているのは夫の理解、協力とのアンケート結果があり、議連を立ち上げました。男性が自分のこととして育児や家事に関わるのは義務と同時に権利でもあります。子育ての悩みも、2人で分ければ半分になりますよね。

◆自由にさせなさい。なんとかなるから

 大学3年男子の母、「営業部女子課の会」代表理事 太田彩子さん(42)

神奈川県出身。リクルートを経て起業。主に女性営業職の人材育成を行う。2009年「営部女子課の会」設立。内閣府子ども・子育て会議委員。

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 中学から高校にかけて息子が反抗期のころ、相談した知人に掛けてもらった言葉です。当時は「勉強しなさい」「大声は出さない」などと怒り、親としての「あるべき論」で接してました。息子の成長の課題だと言われ、ほっておくことにしたら、しばらくしてピタッと穏やかになったんです。

 親はつい、子どもに「こうなってほしい」と無意識に求めがち。否定せず、正論ばかりを言うのをやめたら、息子も認めてもらえたと思ってくれたようです。

 私は早稲田大学三年の時に学生結婚し、その後、ひとり親として持病がある息子を育ててきました。稼がなきゃと思って働けば働くほど、息子の学校行事や持ち物を忘れたりして責められる。キャリアに対する焦りや不安、さまざまなジレンマがありました。今、息子は大学生になり、人づてに、私に感謝していると聞いた時はじーんときましたね。

 文・奥野斐、安藤美由紀/写真・由木直子、池田まみ

 

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