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【とちぎ こころの健康便】

仲間意識って? 「個々の事情」を前提にして

 「仲間意識」といえば、学校のクラスやスポーツのチーム、会社の同僚など、さまざまな人間関係の中で芽生えるもの。声を掛け合って課題を克服し、時には楽しい思いを共有する。こうした経験は多くの人にあるでしょう。でも、ささいなことで関係が崩れることもあるようです。グループの中で違う考えを持ったりすると、場合によっては仲間外れが起き、いじめにもつながりかねません。人はなぜ、仲間意識を持つのでしょう。また、トラブルになったときはどう対応したらいいのでしょうか。水島先生に聞きました。

 人は基本的に社会的生物ですから、人とのつながりを感じながら生きていくものです。仲間意識とは、まさにそういう性質のものと言えます。もちろんそれは人生を豊かにすることが多いのですが、「仲間外れ」「いじめ」などの現象にもつながりかねません。

 これは、「同調圧力」と言われるものの結果なのですが、仲間の中では「同じであるように」という圧力が働き、「違う」人を排除しようとするのです。

 本来、人はそれぞれが違う存在です。持って生まれたものも違えば、経験してきたことも違う。「一人一人に事情があり、それぞれが違う」ということを前提に考えていかないと、困ったことが起こってきてしまいます。

 「スポーツで優勝を目指そう!」などというときには、仲間意識は明らかにプラスにつながります。これは、目標を完全に共有できているからです。そこには人による差異はなく、皆が「優勝」の方向を向いています。

 しかし、世の中、そんな単純なことばかりではありません。仲間であっても、それぞれの事情によっては意見や態度が違ったりして当然なのです。

 本当の仲間意識は、「それぞれ事情がある」ということを前提にしたもの。そんな人間同士が、「でも、みんな頑張っているよね」というところでまとまるのが、大人の仲間意識と言えるでしょう。

 実際にトラブルになってしまったときには、「相手にはどんな事情があって、こんな行動をとったのだろうか」と聴いてみたり、それが無理でも、「いつも仲間なのに今回違う意見を持っているということは、何か特別な事情があるのだろうな」と思うようにすることです。そう思えなければ、大人の仲間とは言えませんね。

(精神科医・水島広子)

 

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