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【とちぎ こころの健康便】

本番で緊張をほぐすには 「人との交流」だと思おう

 受験にスポーツの試合、音楽の発表会…。あれだけしっかり準備したのに、いざ本番の舞台に立つと、実力を出し切れずに終わってしまった。多くの人にそんな経験があるのではないでしょうか。いつもと違う状況で、頭が真っ白になることは誰しもあります。「いいところを見せたい」と思うと、逆にそれが自分自身へのプレッシャーとなり、なかなか思うようなパフォーマンスを見せられない。本番で程よく緊張しつつ、持てる力を発揮できるようにするには、どうしたらいいのでしょうか。水島先生に聞きました。

 基本的に、「自分はちゃんとできるだろうか」「自分はどのように見られているだろうか」「自分はどう評価されるだろうか」など、「自分」を中心にした気持ちがあると、どうしても緊張し、日ごろの力を発揮できなくなります。

 なぜかというと、自分は「評価される側」、相手は「評価を下してくる側」ですから、当然のことと言えるでしょう。

 さて、「どう評価されるだろうか」にばかり目がいってしまうと、普通の人間は緊張します。それは全然おかしいことではありません。

 でも、受験、スポーツの試合、発表会などを、「人と人との交流」と考えてみてください。

 相手はよい人材をほしがっている。あるいは、自分が手にかけた子がどれほど頑張っているかを見たがっている。

 よい人材というのは、必ずしも特定の分野で成果を上げられる人ではなく、もしも失敗しても振り返り、さらに大きな存在になっていく人です。

 ここぞというところで緊張するのは、人間にとってごく当たり前のことです。

 ただそのときに、「評価される自分」のことは忘れて、「皆さん分かっているかな」「皆さん楽しんでいるかな」などと、見ている人たちとのつながりを意識すると、「自分」という概念が消えます。

 見る人はちゃんと見ています。結果と関わりなく、努力したところはよく見ていてくれるのです。

 そうでない人たち、つまり結果についてつべこべ評価を下してくる人たちは人間として未熟です。振り回されることもないでしょう。

 あくまでも、受験、スポーツ、音楽は、人と人との交流の場です。自分の価値を決めるものではないので理解しておいてください。 (精神科医・水島広子)

 

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