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【とちぎ こころの健康便】

「ごめん」言えない心理 認識のズレを埋めよう

 「夫婦げんかは犬も食わぬ」とは、よく言ったものです。感情的になって思いをぶつけ合っても、長く引きずらず、時には絆を深めることもある。そんな間柄なら、けんかもほほ笑ましいものかもしれません。でも、そううまくいかないケースもあるようです。自分が悪かったと思っても、それを上手に口にできない人もいます。意地を張ってばかりで「ごめん」という一言が言えない。いったい、どんな心理が関係しているのでしょうか。また、これを改善することはできるのでしょうか。水島先生に聞きました。

 夫婦のように身近な関係性だと、「分かってくれて当たり前」「愛があれば分かろうと努力するはず」とどうしても思いがちになります。

 ですから、相手が思ったように動いてくれないと、自分がないがしろにされたような感じがしてしまうこともあります。あるいは、特に男性側に多いのですが、「自分はこんなに頑張っているのに責められている」と過剰に感じやすく、それが謝罪を難しくしてしまうこともあります。

 一般に、女性は人の顔色を読むのが得意です(女性全員ではありません)。自分が人の顔色を読みながら、気を利かせていろいろやっているので、同じことを男性にも要求してしまうのです。

 ところが男性は、女性に比べると顔色を読むのが苦手な人が多いです(全員ではありません)。言葉ではっきりと「○○をやって」と言われないと分からない、という人は多いのです。

 このズレが、多くの夫婦げんかの元に見られます。女性は「自分を愛しているのなら、もっと顔色を読んで」と思う。男性は、女性のために頑張っているのにその努力を認めてもらえず、責めるようなことばかり言われる。

 これではけんかになってしまっても当たり前です。どちらも悪気がないだけに、とても残念なことだと思います。

 現在問題を抱えていると思う方は、女性であれば男性に「私、今日疲れているから食器を片付けてくれる?」「あなたの作った○○が食べたいからお願い」と、具体的にやってもらいたいことをお願いし、事後にはきちんと「さすがあなた」「助かったわ」とほめましょう。

 これだけでも夫婦関係はとても円滑になり、どちらかが謝らなければならない状況に陥らないのではと思います。 (精神科医・水島広子)

 

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