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【とちぎ こころの健康便】

「やる気」を鼓舞するには 努力を褒め、存在に感謝を

 「あの人にはやる気が感じられないんだよな…」。職場で、上司や同僚がこんな愚痴をこぼすのを聞いたことがあるかもしれません。何人かで一つの仕事に取り組むとき、和を乱すほどではないけれど、みんなと同じ意気込みで向き合おうとしない人がいたら…。作業がはかどらないばかりか、他の人の気持ちまで上がらず、仕事の出来にも影響しかねません。やる気が表に出ないのは、さまざまな背景や理由が考えられるため責めることはできませんが、上手に鼓舞する方法はあるのでしょうか。水島先生に聞きました。

 自分の仕事に「やる気」を感じられる、というのはとても幸せなことです。そこから考えると、「やる気」がないのに仕事をしなければならない、という人は決して幸せではないでしょう。

 可能であれば、なぜ「やる気」がないのかを聞いてみるとよいと思います。仕事に価値が感じられない、ということもあるでしょうし、もしかしたらうつ病かもしれないのです。

 うつ病であれば、「鼓舞」はしてはいけないことですので、別の戦略になります。

 しかし、単に価値が感じられない、というのであれば、その理由をよく聞いてみましょう。「仕事は食べていける程度に」という人生観の持ち主なのかもしれません。そんな人に叱咤(しった)激励してしまうと、ますますやる気を失わせてしまうでしょう。

 効果的な方法は、人間関係の活用です。一般的な傾向として、男性は努力して頑張ったことを褒められるとやる気を出します。「君がやったあの仕事、ものすごく評価が高いよ」などと、小さなことでもよいので見つけて褒めてあげましょう。見つけることができなければ、小さな仕事を与えて、「よく頑張ってくれたね。君は仕事ができるね」と伝えてあげればよいでしょう。

 一方、女性の一般的な傾向としては、「存在を大切に思ってもらうこと」でやる気が出ます。ある仕事の出来を褒めるのももちろん重要なのですが、それ以上に、「君はこの部署にとってなくてはならない存在なんだよ。自分ではそう思えないかもしれないけれども、本当のことなんだよ」というようなことを伝えてみたらどうでしょうか。

 実際、誰もが尊重されるべき存在。決して、おべんちゃらで人を操作するのとは違うと思います。

精神科医・水島広子

 

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