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【とちぎ こころの健康便】

親の反対を説得するには 「子離れ」へ、気持ちに共感を

 進学に就職、結婚。多くの人にとって、人生の分岐点で「道しるべ」となってくれるのは親でしょう。自分の経験を踏まえ、的確な助言をくれる社会の先輩でもあります。しかし、時には子の選択に賛同しないこともあります。親としての理想とかけ離れていたり、子どもに後悔させたくないという親心だったりと、理由はいろいろでしょう。それでも、「ダメだ」と一方的に否定されると、言われた方も納得いきません。反対する親を説得するには、どんな言い方があるのでしょうか。水島先生に聞きました。

 私は精神科医であると同時に二児の母ですから、この問題をいろいろな角度から見ることができます。

 親にとっては覚悟がいることなのですが、やはり子どもは自分とは別人格であって、子どもには、子どもの人生があるのです。「親離れ」以上に必要なのは「子離れ」だと私は思っています。

 親はもちろん人生の先輩ですし、子どもが進もうとする道に多くのリスクを感じ取ることができます。でも、「子離れ」しなければ、子どもが自立した大人になることもできないのです。

 そのような背景を踏まえた上で、子どもとして、親の反対をどう扱うべきでしょうか。

 単純に反抗してしまうと、親の側には「まだまだ子どもだから」という気持ちが生じてしまうと思います。それを防ぐためには、まずは親の気持ちに共感し尊重する必要があると思います。

 「子どもである自分を心配してくれるのはうれしい。そして、人生経験はお父さん(お母さん)の方がたくさん持っているのも知っている。お父さん(お母さん)が心配してくれていることは最もだと思う。でも、お父さん(お母さん)も無限の命を持っているわけではないし、自分がこれから自立した人間としてやっていくためには、リスクを冒す必要もある。失敗は覚悟しているし、自分はまだ若いから、そこから学んで立ち直ることができると思っている」

 そういうことを率直に話す必要があると思います。

 多くの親が、これで納得すると思います。それでも反対するとしたら、「子離れ」の必要性を分かっていない、「要注意の親」なのかもしれません。

 そんな時には、親ととりあえず距離を置くことが必要かもしれません。

精神科医・水島 広子

 

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