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【とちぎ こころの健康便】

ネガティブ思考を変えるには 個々の「事情」を認めよう

 物事に向き合うとき、悲観的、否定的に捉える考え方を「ネガティブ思考」などと言うようです。「こうなったら、どうしよう…」。後ろ向きな気持ちばかりが先に出て、思わしくない結果になると「なんで、私って駄目なんだろう…」とさらに落ち込む。前向きな人を見ると、自分のマイナス面がより分かるせいか、対人関係でも壁をつくってしまう人もいるようです。頭の中が、負の連鎖に陥ったときの切り替え方はあるのでしょうか。また、ポジティブ思考に変えていくことはできるのでしょうか。水島先生に聞きました。

 「前向きに!」と思えば簡単にできるような方はこれをお読みになっていないでしょうから、「どうしてもネガティブになってしまう」という方向けにお話しします。

 人間がネガティブ思考になってしまうことには理由があります。「どうせうまくいくわけがない」というメッセージを受け取りながら育ってきたり、ひどい失敗体験があったり、もともとの不安が強かったり。よくよく話を聞いてみれば、必ずそこには「事情」を見つけることができます。あるいは、現在、疲れ切っていて、うつになりかかっているという可能性も。

 つまり、ネガティブ思考は「好ましくないもの」という以前に、「それぞれの事情を反映したもの」と考えることができるのです。

 そこに、「ネガティブ思考はよくない」という価値観を載せてしまうと、ますます「自分はだめだ」という考えが強まり、ネガティブになってしまいます。

 まずは、「自分がネガティブになることには『事情』があるのだ」ということを認めましょう。そして、「今、自分がネガティブになるのは仕方ないことなんだな」と認めましょう。これだけでも自己肯定の作用がありますので、負の連鎖を止める効果があります。

 また、自分の「事情」を考えてみれば、自分がよく頑張ってきたということも分かると思います。「でも、もっと大変な人もいるのだから」と思うのであれば、それは自分を追い込む「ポジティブ風」ネガティブな思考、と言えます。

 自分に優しくなることが、負の連鎖から抜け出すための第一歩です。イメージとしては自分の親友が逆境の中で「自分はだめだ」と落ち込んでいるときに「そんなことないよ。よく頑張っているよ」という感じでしょうか。(精神科医・水島広子)

 

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