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【とちぎ こころの健康便】

嫉妬心が芽生えて苦しい 心のシャッター下ろして

 人なら誰しもが嫉妬したことがあるのではないでしょうか。「会社の同期の昇進」「大親友の結婚」など、喜ばしいことなのに、なぜか素直に喜べない。「あの人は頭もルックスも性格も良い」「お金持ちで高級品ばかり持っている」などとあれこれねたみ、攻撃的に接してしまう。心の奥底では、不幸や失敗すら望んでいるのかもしれません。どうしてこんな気持ちが芽生えてしまうのでしょうか。嫉妬心を抑えたり、前向きなエネルギーに転換したりする良い方法はないでしょうか。水島先生に聞きました。

 このご相談は、「恋人をとられてしまう!」というタイプの嫉妬ではなく、「他人がうまくいっているところ」への嫉妬のようですね。

 他人の「恵まれたこと」は、何らかの形で強烈に伝わってきます。「昇進」だったり、「高級品を持っている」ことを通してお金持ちであることがあらためて伝わってきたり。

 こういうときには、私たちは、「衝撃」を受けます。一般に、「ショック」「びっくり」と言われる類のことです。

 「衝撃」を受けると、人は、傷つきます。「自分がちゃんとしていなかったから衝撃を受けたのだ」というモードに入ってしまうからです。相手の成功は相手の成功にとどまらず、「自分を余計にダメに見せるもの」「自分がダメ人間であることの証拠」と受け止めてしまうのです。

 攻撃的になったり、相手の不幸を願ったりするのは、当然の「反撃」だと言えます。自分がそれだけの傷を負ったのですから、やり返してやりたい、と思うのは普通の感情でしょう。

 まずは、これらの反応の全てが「衝撃」によるもの、という認識を持ってみましょう。衝撃を受ければ、反撃したくなるのも当然なのです。しかし、「反撃したい」という苦しい世界にずっととどまるのは苦しいことです。

 私はそれを「心のシャッター」と呼んでいますが、自分を惨めな気持ちにするものは、わざわざ見なくてよいのです。とりあえずシャッターを下ろして、気にしないようにする。そして自分の毎日を積み重ねる。

 たまにシャッターを上げて様子を見て、まだまだだったら、またシャッターを下ろせばよいのです。そうやって、不要な衝撃を避けて生きていくことは、自己肯定感を高める上で案外大切なことです。(精神科医・水島広子)

 

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