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【とちぎ こころの健康便】

他人に心を開くのが苦手 「安全な人」を見分けよう

 人生のさまざまな局面で、縁のない土地で新生活を始めることは珍しくありませんが、「心を許せる友だちや恋人がいつまでたってもつくれない」と思い悩む人がいます。職場の仲間と食事に出掛けたり休日に趣味のサークルで活動したりと、積極的に人と関わる機会をつくってその場は笑顔で過ごしても、何年も表面的な関係のまま。深く付き合っていきたい気持ちはあるのに、なぜか心を開けない。性格の問題なのか、他に要因があるのか。どうしたらあと一歩を踏み出せるでしょうか。水島先生に聞きました。

 他人に対して心を開くのは難しくて当然のことです。心を開けば傷つくリスクがありますし、「自分はどう思われるだろう」ということも気になりますね。

 他人に対して心を開くのが苦手な人は、「人の見分け方」をよく知らないのと、「どちらの問題か」の区別のつけ方をよく知らない場合が多いと思います。

 例えば、他人から「あなたって〇〇ね」と決めつけられて傷ついたり嫌な思いをしたりすることがありますよね。そういう「決めつけ体質」の人と安心して付き合うのは難しいものです。他人の事情を考えもせずに簡単に決めつける人は、「危険な人」に分類して、距離を置き、心を開く相手にしなければよいと思います。これが「人の見分け方」です。

 また、「自分はどう思われるだろう」ということは、多くの人にとって気になることでしょう。でも、「自分がどう思われるか」は、百パーセントこちら側の問題でしょうか? そんなことはないですよね。それこそ相手の「決めつけ体質」を反映することは多いでしょう。

 自分としては誠実に接したのに、なぜか嫌われてしまう場合には、おそらく相手側に何らかの問題があるのだと思います。それは、「相手の事情」です。他人の事情をすべて知ることなど、不可能です。ですから、「?」と思うことがあったら、「まあ、何か事情があるのだろうな」と考え、自分は自分が考える「誠実」で生きていけばよいのです。「?」を感じることが多い相手とは、やはりつき合っていくことが難しいので、距離を置いていけばよいと思います。

 「あと一歩」を踏み出すときには、すぐに決めつけたりアドバイスしてきたりしない「安全な人」に、少しだけ心を開いてみるところから始めましょう。 (精神科医・水島広子)

 

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