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【とちぎ こころの健康便】

健やかに働ける職場作り 意思疎通が何より必要

 日々の仕事をこなしていく上で、多くの人は大なり小なりストレスを抱えているのではないでしょうか。過重労働やメンタルヘルスへの対応を誤り、離職や命を失うような事態が現実に起きています。「働き方改革」が叫ばれる中、各職場での取り組みが一層求められそうです。みんなが健やかに働ける職場を作っていくために、グループの一員として、どのような心掛けが大切でしょうか。万一、同僚の異変を感じ取ったときには、どう振る舞ったら良いでしょうか。水島先生に聞きました。

 みんなが健やかに働ける職場作りのために、何よりも必要なのはコミュニケーションです。コミュニケーションがよくとれている職場では、心の病を予防する力も大きいです。誰が何に困っているのか、自分が何に困っているのか、お互いに知り合うことはとても大切です。そうしないと助け合えないからです。

 うつ病などになりやすい人は、やはり「一人で抱え込む」などのパターンがあるのですが、それもコミュニケーション不足と言える場合が多いです。

 「こんなことを言ったらダメ社員だと思われるのではないか」と自分を抑えるのではなく、自分自身が持続可能な働き方を目指すのがよいですし、それが他の人にもプラスの影響を与えるでしょう。

 ところで、実際に同僚の異変を感じ取った場合、どうしたらよいでしょうか。うつ病などになっている方は、「自分の努力不足だ」と思いこんでいて、病気という発想がない場合が多いです。

 そのような人を医療につなげる際には、まず、「最近疲れているみたいで本当に心配。一度内科で検査してみたら」と勧めるのが無難でしょう。

 精神科への偏見はまだまだ強く残っていますから、受診を勧めると「自分は頭がおかしいと言われた」と感じる人もいます。また、何と言っても、うつ病の診断を下すためには、それが身体の疾患などによるものではないと明らかにする必要があるのです。まずは身体科の受診を勧め、そこで「検査したけれども異常が見られない」ということを理由に、精神科受診につなげてもらえばよいでしょう。

 精神科受診を勧めるのは、プロでも難しいこと。本人が「自分はうつかも」と言うのでなければ、自分で説得する必要はありません。 (精神科医・水島広子)

 

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