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【とちぎ こころの健康便】

初対面で打ち解けるには 温かい姿勢を自分から

 「初対面の人と打ち解けるのは難しい」と感じている人は多いのではないでしょうか。打ち解けなければならない状況と無縁ならいいですが、ビジネスや地域交流などに、避けて通れない場面もあります。営業職なら、こちらの人間性を見定めようと身構える人を相手にしないといけません。当たり障りのない話で切り出すのは無難かもしれませんが、話題の選び方や話し方、振る舞いなどにおいて、時間をかけずに相手が親しみを感じてくれたり心を開いてくれたりするようなこつはあるでしょうか。水島先生に聞きました。

 私は、「人は与えるものを同時に自分でも受け取る」という考えが好きです。これはギブ・アンド・テークの意味ではなく、温かい姿勢で接すると、相手がその温かさを受け取るだけでなく、自分も同時に受けとる、ということなのです。

 有害ガスを自分で吐き出すと、吐き出した自分も吸い取ってしまいますよね。それと同じことで、温かいエネルギーを相手に発すると、自分もそれを吸い取って温かくなるのです。

 初対面の人の場合、もちろん、相手の緊張や警戒が伝わってきます。でもそこで自分も同じようなエネルギーを発すると、相手のものと相まって、温かさとは程遠い雰囲気になってしまいますね。

 ですから私は、せめて自分自身は温かく心を開くようにしています。自虐ネタも、笑い話であればOKです。自分の失敗エピソードや、笑ってしまう欠点などをあえて話すと、相手の気も緩みます。つまり、一緒に笑ってしまえば、変なわだかまりが消えるのです。

 同じ自虐でも、笑い話でなく、「私、本当にだめな人間なのです」と言い切ってしまうと、相手は反応に困りますし、とても打ち解けられないでしょう。そんなときには、自分自身も暗い雰囲気を吸い取っている、と言えます。

 まずは自分が力を抜き、「こんなだめな自分ですがよろしく」と明るい雰囲気で接すれば、相手も笑いながら「いや、実は私もね」などと話してくれるかもしれません。

 もちろん本当に親しくなるには時間が必要です。でも、初対面が温かければ、本当に親しくなる可能性も高まりますね。こんなふうに接してほしいな、と思うやり方で接してみると、自分も温まりますし、相手にも心を許してもらいやすくなると思います。(精神科医・水島広子)

 

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