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【参院選2010】茨城政権交代の現場から<2> 集団転作 維持難しく 農業者戸別所得補償制度2010年7月2日 青い苗が育った田んぼと麦秋が、大地にモザイク模様を描く。県内有数の米どころ筑西市。梅雨の晴れ間、農家は転作の麦の収穫に追われる。「ここのコメは、新潟産コシヒカリにも負けない」。市中央部を管理する「田谷川土地改良区」の瀬畑恒雄理事長が田んぼを見つめ、日焼けした顔をほころばせた。 七百五十戸の農家が組合員として加わる土地改良区は、県内でも数少ない生産調整(減反)100%を維持。耕作地を三つのブロックに分けて、ローテーションで回す「集団転作」だ。このやり方で、麦や大豆の転作作物の連作障害を防いでいる。 小規模農家は大型機械を導入している大規模農家に生産を委託することで、耕地面積の三割に上る転作目標を達成し、市の「加算金」の助成を受ける。 しかし、新政権下で始まった農業者への戸別所得補償制度で、「集団転作」が揺らぎだした。これまで助成金は地主に支払われていた。一方、作付面積十アール当たり一万五千円が定額交付される戸別補償制度は、耕作者が交付の対象となる。県内の交付対象農家は約八万四千戸。 「地主にとって、土地を耕作者に貸すメリットがなくなってしまう。集団転作の維持が難しくなってきた」と瀬畑理事長。今年は、戸別補償を地主に返還することで生産委託の協定書を交わしたが、先行きは不透明だ。 「今までやってきたところへ、急にはしごを外されたようなもの」。同市内の杉山善司さん(54)は、戸惑いを見せる。農産物の輸入自由化の波が押し寄せる中、農家の規模拡大、効率化を進めてきた自民党時代の農政に後押しされ、七年前に農業生産法人を設立。水田の作付面積は年々増え続け、約五十ヘクタールに及ぶ。このほか、二十ヘクタールで麦や大豆の転作栽培を依頼される。 「小規模な農家を守るのも大切だが、未来への道しるべを示さないと後継者は育たない」 減反から水田のフル活用へ。政権交代後の方針の大転換は、コメの消費が落ち込む中、食料自給率アップを掲げ、転作作物として輸入の割合が高い麦や大豆のほか、飼料米や米粉米の生産を奨励する。 関東農政局茨城農政事務所は「小さな農家にも麦や大豆をつくってもらうことで、耕作放棄地増に歯止めがかかれば。大規模農家は経費を抑えることで、所得増も見込める。コメの生産を徐々に抑えながら、経営規模拡大への環境を整えていきたい」と理解を求める。 JA北つくばの加倉井豊邦理事長も方針に理解を示し、今は過渡期と受け止める。 「食料の自給率アップを図るには、農家への直接補償が一番。制度がまだ浸透していない面もあるが、説明すればほとんどの農家が納得してくれる」 (原田拓哉) ◆候補者に聞く<質問>農業の戸別所得補償制度をどう評価しますか ◇大川 成典氏(46)み新 見直す。農産物の流通・加工・消費の合理化をはじめ「農業の成長産業化」を図り、国際競争力を強化する。 ◇吉田 里江氏(44)た新 バラマキ型戸別補償に反対。経営集約化の促進と並行で意欲ある農家を対象に経営所得安定制度をつくるべき。 ◇稲葉 修敏氏(48)共新 所得補償の水準が全国一律で低すぎる。輸入自由化推進と一体であり、日本農業の再生につながらない。 ◇郡司 彰氏(60)民現 制度をさらに充実させて来年度から本格実施に取り組み、意欲ある農業者が農業を継続できる環境を整備する。 ◇岡田 広氏(63)自現 一過性のバラマキでなく「再生可能な適正価格」と「安定した所得」が必要。経営所得安定制度の構築が必要。 ◇中村 幸樹氏(46)諸新 農家のやる気をそぐ政策で、根本から日本の農業を弱くする。企業家精神を発揮する農家や企業を支援すべき。 ◇長塚 智広氏(31)民新 国の根幹である農業の保護は必須。安全、信用のある「日本ブランド」の農業の海外輸出など発想を転換する。
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