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【知られざる世界ランカー】

ポールダンス 竹元景子・森嶋真樹 信頼で咲く二輪花

アクロバティックな演技を披露する竹元景子(左)、森嶋真樹ペア=潟沼義樹撮影

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 ナイトクラブのショーで踊る官能的なダンスをイメージしがちなポールダンス。近年は、女性を中心にフイットネスとして人気が高まる中、スポーツとして五輪競技入りを目指す動きもある。ペアを組む竹元景子(38)、森嶋真樹(33)は、ダブルス部門の世界第一人者だ。

 2015年6月、ペアを組んで初めて臨んだ国際大会(ロシア)でいきなり準優勝。11月には香港で開かれた権威のある世界大会で「ポールフィットチャンピオン」に輝き、「世界一」の称号を得た。16年もスイスで開かれた芸術性が重視される大会で優勝。オリジナル性の高い、息の合ったパフォーマンスは高く評価されている。

 各国で盛んに行われるポールダンスの国際大会は、大会ごとに特徴があるという。竹元は「審査では柔軟性だったり、パワー系やトリッキーな技が重視される大会もあります。また音楽や衣装も大切。これからも海外の大会に出て優勝したい」と語る。

 一方、世界基準の統一ルールで五輪競技を目指すのは「ポールスポーツ」と呼ぶ。フイギュアスケートや体操のように、審査項目をより細分化し、技の完成度、難易度、芸術性などを競う。

 この「ポールスポーツ」でも2人は、昨年4月の日本選手権を当時の世界最高得点で優勝。日本代表として臨んだ7月の世界選手権は5位だったが、世界ランキングは現在3位。森嶋は「どのようなジャンルの大会でも、常に表彰台に上がれるようなペアになりたい」と力を込める。

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 ポールダンスを始めたのは、竹元が11年、森嶋が翌12年。きっかけはともに「ダイエット。痩せようと思って」。

 竹元は「ポールを初めて体験したその日、ポールとの出会いに運命を感じた」と振り返る。茶華道が趣味の「文化系女子」は、すぐに「ポールの魔力」にはまった。1人より2人の方がいろんな技ができるからと、パートナーを探し当初からダブルスに取り組んできた。

 「負けず嫌い」を自認する森嶋は、一つの技ができると、次から次へと新しい技に挑戦した。小さな成功体験の積み重ね。「ちょこちょこと、その都度、達成感が感じられるのが一番の魅力」と話す。ずっとシングルで大会に出ていたが、竹元に誘われて15年からペアを組むことに。

 竹元にとって、森嶋はペアの相手として3人目。誘った理由をこう言う。「シングルですごく面白い演技をしていた。組んでみて、体の相性は抜群。それは手を握った瞬間に分かりました」

 時に片手一つで相手の体を支える。ダブルスは信頼関係がすべて。竹元は「相手を少しでも疑う気持ちがあったら身を託せない」と言い、森嶋も「ぶら下がっていて怖いと思ったことは一度もない」。

 最高のペアは、1年足らずで最強のペアになった。

「これからも海外の大会に出て優勝したい」と語る竹元景子(右)と森嶋真樹

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 ポールダンスとポールスポーツの大会出場に加え、2人にはもう一つの顔がある。それが「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」というユニット名で行うショー活動だ。山口百恵やピンク・レディーなど、昭和の歌謡曲に合わせてポールダンスを披露している。

 ショーと言っても、ナイトクラブなどで行っているわけではなく、児童館や飲食街の催事場などでの大道芸活動に近い。竹元は「ルールの制約を受ける大会や競技会ではできないことを自由にやってます。面白さや楽しさが伝わってくれたら」。独創的な技が売りの2人。新しい技を考えることは楽しいし、それが大会にも生きてくる。

 競技としてはまだまだマイナースポーツ。普及活動は第一人者の務めだと思っている。2人は1月に放映された「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」に出演し話題となった。出場した理由を森嶋は「セクシーなイメージが強いけど、それとは違うポールダンスがあることを知ってほしかったから」。子どもたちからの反響がうれしかった。 (牧田幸夫)

<ポールダンスとポールスポーツ> エクササイズやスポーツとしても普及したポールダンスは、2005年ころから世界各国で大会が数多く開催されるようになった。スポーツとしてのポールダンスは2012年に名前を「ポールスポーツ」とし、国際ポールスポーツ連盟(IPSF)を中心にオリンピックの正式競技入りを目指している。日本にはダンス、スポーツ両方の組織、大会がある。国内の競技人口は約1万人。

<たけもと・けいこ&もりしま・まき> 2015年6月からペアを組み、同年11月のIPCポールダンス世界大会でポールフィットチャンピオンに輝くなど、各国の大会で数多く優勝、入賞を果たしている。昨年の全日本ポールスポーツ選手権では、世界最高得点(当時)を出した。

 東京都武蔵村山市出身の竹元は、インドの国技でポールダンスに似た伝統競技・マラカンブ、ロープマラカンブの修業をし、現地の大会にも出場。日印の親交を深めようと、国内に協会を設立し代表を務める。埼玉県春日部市出身の森嶋は、はんこを彫るアーティストの顔も持ち、過去に2度個展を開催している。

 

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