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【鉄学しましょ】

「こだま」って妖怪 !? 土屋武之

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 鉄道をこよなく愛した小説家、内田百〓(うちだひゃっけん)(1889〜1971年)の最初の作品集「冥途(めいど)」(1922年刊)には、「木霊(こだま)」という、百〓が得意とした幻想的小品が収められている。

 しかしそのせいか、58年に運転を開始し、東京−大阪間を日帰り可能にした特急「こだま」はお好みではなく、英語のエコーの意味かもしらんが、特別急行に妖怪変化のたぐいの名を付けるとは何ごとと、おかんむりだったらしい。「こだま」は本来、字のごとく樹木に宿った霊のこと。山彦(やまびこ)は木霊のしわざとされる。

 百〓の憤慨とは裏腹に、「こだま」は現在まで東海道・山陽新幹線の列車名として定着している。いかにも森羅万象に霊魂が宿るという意識を持つ日本独特の感覚だ…と、思ったら。

 19世紀のイギリスには「フライング・ダッチマン」という急行があった! 映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ONE PIECE」でも知られる伝説の幽霊船である。実は日英とも神霊を意識した命名ではなく、「こだま」は行ってすぐ帰るイメージから。「フライング・ダッチマン」は当時強かった競走馬が由来。けれど、なんだか怪しげだな…と思った人もいたかもしれない。

※〓は、門構えに月

 

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