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【鉄学しましょ】

長町駅の5年間 土屋武之さん

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 仙台駅の隣の駅、長町は、主に普通だけが止まる小さな駅だ。だが1973年から78年にかけての約5年間のみ、特急や急行が停車していたことがある。この期間、仙台駅構内で東北新幹線の工事が深夜に行われており、夜行の特急、急行がそれを避けて仙台を通らない宮城野貨物線へ迂回(うかい)。一部、仙台で乗降を扱っていた列車が代わりに長町に止まり、便宜を図っていた。

 その場面が井上ひさしの「吉里吉里人」に描かれている。主人公が乗った急行「十和田3号」が長町を発車するところから、物語が始まるのだ。現在、刊行されている版の雑誌連載開始は78年。時期的にも符合する。ただ当時の時刻表を見るとこの列車、長町ではなく仙台に早朝5時34分着で停車していた。多くの下車客が見込まれるため、迂回の対象にはならなかったらしい。小説内の列車編成などの描写はその頃のものだが、仙台は通過したとなっている。

 長町駅は2006年に高架化。隣接していた広大な貨車操車場も再開発されて、雰囲気が一変した。だが、北側で東北線から宮城野貨物線が分岐しているのは、今も変わらない。

 

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