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【タイムライン】

足から繰り出すナイスショット!! フットゴルフ人気急上昇

打ち下ろしのホールで豪快なキックに入る選手

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 サッカーとゴルフを融合させた「フットゴルフ」の人気が上昇中だ。自分の足をクラブとする新スポーツは世界30カ国以上で行われ、ワールドカップ(W杯)も開催。日本では若い世代を中心に一昨年から普及が始まった。高齢化や若者のゴルフ離れで利用者が減るゴルフ場が、フットゴルフの常設コースをつくるなど、施設の稼働率を高める一手としても注目を浴びる。 (小杉敏之)

 うねりのあるパットラインを読み、慎重にサッカーボールをキック。小雨が降る山あいのコースに「ナイスバーディー」の声がこだました。

 宇都宮市のケントスゴルフクラブで昨年11月、フットゴルファー日本一を決める「ジャパンオープンファイナル」が開かれた。今月行われたW杯アルゼンチン大会の日本代表選考会を兼ね、国内トップの19選手が熱戦を展開した。

 優勝した冨沢和未(36)は、競技の魅力について「自然の中でプレーする壮快感」と話す。小学5年で始めたサッカーを経てフットゴルフの道へ。ゴルフは「コースデビューまで練習に時間がかかるし、道具もお金がかかる」と未経験だが、他の選手もフットゴルフを機に初めてゴルフ場を訪れるケースが多いという。

 フットゴルフは2009年にオランダでルール化。欧米では賞金大会があり、プロ選手も存在する。サッカー界のスーパースター、ジダン(フランス)らもプレーして普及に一役買った。元フランス代表FWのパパンはフットゴルフの現代表でもある。

 日本フットゴルフ協会は発足2カ月後の14年4月から毎月、国内ツアー大会「ジャパンオープン」を各地で開催する。出場者は30代男性を中心に延べ人数で1万人に達した。その9割がサッカー経験者で元Jリーガーも。松浦新平会長(42)は「2年弱で急成長した」と実感を込める。

 国内の競技力はまだ発展途上で、世界との差はアプローチとパットの精度とされる。「決定力不足に泣く日本のサッカーと同じ」との声もあるが、スポーツとしての認知度を着実に高めている。

 普及や強化で欠かせないのが競技施設だ。現在、国内13カ所のゴルフ場でプレーが可能。今後も施設数は増える見通しで松浦会長は「全国のゴルフ場から毎月2〜3件の問い合わせがある」と話す。

◆ゴルフ場活用策に

 注目の背景には、日本のゴルフ人口の大半を占める団塊世代の男性が65歳以上となり、ゴルフ市場の縮小が一気に進むとされる「2015年問題」がある。

 いち早くフットゴルフの将来性に目をつけ、第1回のジャパンオープンを招致したケントスゴルフクラブ最高経営責任者(CEO)の新井博氏(47)は「この20〜30年でゴルフ人口が約740万人に半減したが、全国に約2500あるコース数は減っていない。需要と供給のバランスが崩れており、ゴルフ場の閉鎖が増える」と予測する。

フットゴルファー日本一を決めるジャパンオープンファイナルの出場者たち=いずれも宇都宮市のケントスゴルフクラブで

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 昨年、「生き残り策の一つ」(新井CEO)として、練習コースの一部をフットゴルフの常設コースに改良。今やフットゴルファーの「聖地」と呼ばれる。ゴルフと違ってコースは除草の必要がないため、管理コストも大幅に低下。愛好者を含め、国内に約660万人いるサッカー人口などから、ゴルフ場利用者の掘り起こしを狙っている。

◇ルール

 通常はゴルフと同じく1R18ホールのストロークプレーで勝敗を決める。ボールはサッカーボールを使用。パー71〜72のコースが多く、各ホールの距離はパー3が40〜60ヤード、パー4は120〜140ヤード、パー5は170〜200ヤード。ゴルフ場のグリーンは使わず、カップの大きさは直径約53センチ、深さ30センチ以上に定められている。キックの際、足裏の使用は禁止。サッカースパイクではなく、芝を傷めないフットサルシューズなどでプレーする。

◇国内外の主要大会

 国際フットゴルフ連盟(本部・ロンドン)が4年に1度、W杯を主催する。4年前の第1回大会は開催国ハンガリーが優勝。日本は約20カ国が参加して今年1月6日から10日まで行われた第2回大会(アルゼンチン)に初参戦し、元J1浦和DFの堀之内聖(36)ら代表16選手が出場。団体は13位、個人は冨沢の80位タイ(通算10オーバー)が最高だった。優勝はアルゼンチンのオテロで通算18アンダー。

 国内は「ジャパンオープン」が月1回のペースで行われ、成績上位者が「ジャパンオープンファイナル」に進む。ケントスゴルフクラブにアイランドゴルフリゾート三田(兵庫県三田市)と富士の杜ゴルフクラブ(静岡県小山町)を加えた国内計3カ所の常設コースなどが主要会場となる。

 

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