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【タイムライン】

進む球場のボールパーク化 プロ野球、多様なファンサービス

左翼スタンド奥に位置してランドマークの役割も果たす観覧車=仙台市のコボスタ宮城で

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 観覧車から絶景を楽しみ、ご当地グルメに舌鼓を打つ−。プロ野球の入場者数は日本生命セ・パ交流戦終了時の20日現在、10球団で前年を上回った。多様なファンサービスが登場したためだが、主流は球場のボールパーク化。プレーを観戦するだけでなく、スタジアムそのものを楽しむ米国スタイルが日本にも浸透し始めている。 (松山義明)

 交流戦の楽天−広島戦が行われた12日のコボスタ宮城(仙台市)。左翼側に今季オープンした公園と一体化した新客席「スマイルグリコパーク」は多くの親子連れでにぎわった。目玉は球団が「世界一のボールパークを目指した」とアピールする観覧車だ。

 楽天の帽子を抱えて降りてきた仙台市の金井和瞳(なごみ)さん(7つ)は「クラスで一番乗り。友達に自慢したい」と上機嫌。家族で年に5度は観戦に訪れるという父・政紀さん(44)は「子どもが3時間以上も試合に集中するのは難しい。いい遊び場ができた」と喜んだ。多い日は1日に2500人以上が乗車する。

 2004年11月に新規参入を果たした楽天。05年3月から都市公園法に基づく管理許可を受けて球場の整備を進めてきた。今季は観覧車を含む新客席などに約30億円を投入。立花陽三球団社長は「観覧車に乗りに来て、野球を好きになってもらえたらいいし、野球を見に来て観覧車のある球場を好きになってもらってもいい」と狙いを明かす。今後の施設拡充も計画している。

 試合がある日は屋台や露店が並び、お祭りのような雰囲気に。牛タンなど地元名物だけでなく、対戦チームの選手プロデュースメニューなども人気を集める。「球場の外でも野球の雰囲気や歓声が楽しめる。ふらっと立ち寄れる仕掛けづくりは素晴らしい」。そう話すのは仙台商工会議所で地域づくりを担当する白鳥裕之部次長。歴史や自然が見どころの仙台にあって、球場にある観覧車も新しい観光名所として期待される。

 昨年の主催試合の入場者は152万4149人。前年比6・6%増で球団記録を塗り替えた。宮城県によると、県内の経済効果は推計で約206億円。チームが地域に定着したのもあり、1年目の05年から70%以上も増えた。

 しかし足元は心もとない。少子高齢化が進み、子どもの競技人口はもちろん、趣味の多様化で野球に触れる機会が減っているからだ。立花社長は「いまの数字も重要だが、本当のファンになって再び来てくれる施策を打っていきたい」という。幅広い年齢が楽しめるボールパーク化は、将来の種まきとしての意味も大きい。

今季から販売が始まった球団オリジナルビールを楽しむファン=横浜で(DeNA提供)

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◆入場者数パ新記録 DeNA増加顕著

 プロ野球の入場者数は昨年、パ・リーグで1072万6020人(前年比5・5%増)のリーグ新記録を達成するなど増加傾向が続く。増加率が大きいDeNAは「コミュニティボールパーク化構想」を事業の柱にする。

 参入した12年シーズンから家族や友人らの交流の場にしてもらおうと、横浜スタジアムに大人数で座れる客席などを整備。グラウンドにテントを張って宿泊できるイベントなど次々と打ち出している。今年1月には株式公開買い付け(TOB)で球場の経営を一体化。「ハード、ソフトそれぞれでスピード感を持って取り組めるようになった」(球団広報)という。

 ボールパーク化の先駆けはオリックス。03年にファウルゾーンに迫り出したフィールドシートを国内の主要球場で初めて導入。広島のマツダスタジアム(09年4月開場)は寝そべって観戦できる斬新なシートなどが話題となり、全国からファンを集めている。

 今年球団創立80周年を迎えた中日も本拠地ナゴヤドームがフィールドシートの新設など手を加えた。また、球場内にドラゴンズ歴代選手を紹介する「ドラゴンズワールド」をオープンさせた。交流戦終了時の主催試合は108万8520人(前年比2・8%増)が入場。ドームは「多くの家族連れのお客さんに楽しんでもらえている」という。

◆今季から始まった主なファンサービス

【巨人】高級座席を用いたシーズンシートなど内野観客席の改良

【広島】本格お化け屋敷「ざくろ女の家」。シーズン中に内容更新

【中日】遊具や展示パネルを集めた「ドラゴンズワールド」新設

【DeNA】地元製造のビール、ホットドッグなど独自メニュー販売

【ロッテ】グラウンド内で女性ファン対象のヨガ体験イベント

【西武】米国流バーなどがある「L’sダイニング」にグループ席

選手や球団の歴史を紹介するドラゴンズワールド=ナゴヤドームで

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