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【タイムライン】

ロードレース強化へ イタリア修業 五輪枠確保へ連盟・企業一丸

イタリアチームに移籍する愛三工業の中根英登(右)と伊藤雅和=NIPPOヴィーニファンティーニ提供

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 2020年東京五輪を見据え、日本自転車競技連盟(JCF)や企業チームが協力して五輪種目のロードレースの有力選手をイタリアの強豪チームに移籍させて強化を図る計画が、来年1月から始まる。自転車競技の本場で健脚を鍛えることで、五輪出場枠の拡大や同種目で初のメダル獲得を目指すことになる。 (松山義明)

 橋本聖子JCF会長が理事長を務める一般社団法人「JAPANプロサイクリング」が主導する今回の試み。活動母体は、古豪の日本鋪道(ほどう)レーシングチームから発展した「NIPPOヴィーニファンティーニ」だ。同チームはイタリアのワインメーカーをメインスポンサーにする縁で、14年から世界トップクラスのレースに参加している。

 移籍するのは愛三工業レーシングチーム(愛知県大府市)の伊藤雅和(28)、中根英登(26)と、リオデジャネイロ五輪代表の内間康平(28)=ブリヂストンアンカー=の3選手。以前から在籍する日本3選手のほか、三大レースの一つ「ジロ・デ・イタリア」総合優勝のダミアーノ・クネゴ(35)といった実力のあるチームメートと各地を転戦して強化を図る計画だ。

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 「日の丸」を託すことになるNIPPOの強みは、2番目に高い国際クラス「プロコンチネンタル」へ15年に昇格した点にある。五輪出場枠は国際大会の上位に与えられるポイントに応じ、国際自転車競技連合(UCI)が国・地域ごとに割り振る仕組み。国内有力チームの多くは一つ下の「コンチネンタル」が主戦場。チームのクラスが上になるほど高ポイントのレースに出場できるため、出場枠の獲得競争が優位になる。

 日本は五輪のロードレースで1984年ロサンゼルス大会から連続で出場中。過去3大会は男子2人、女子1人を代表で送り込んだ。しかし、男子の歴代最高位はロンドン大会の別府史之の22位、女子はリオデジャネイロ大会の与那嶺恵理の17位と伸び悩んでいるのが現状だ。

 日本勢は活躍の場を海外に広げて力を付けているが、メダルに近づけない理由の一つは少ない出場枠にある。個人種目とはいえ、チームとしての協調、駆け引きが勝敗に直結するため、人数の多い国ほどレースを有利に展開できるからだ。実際、リオ五輪で金メダルを獲得した男子のベルギーは5、女子のオランダは4と最多タイの出場枠を持っていた。

 国内の競技団体と企業チームが協力し、プロツアーの参戦を通して選手を強化する手法は、すでにイギリス、カザフスタンなどが成果を挙げている。大池新次JCF事務局長は「関係者が一丸となることで東京五輪を盛り上げ、結果を出せるようにしたい」と説明した。

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◆4年ぶり再挑戦 中根「恩返しのチャンス」

 中京大時代にNIPPOヴィーニファンティーニの前身チームに13年まで留学していた中根にとって、成長を確かめる移籍となる。東京五輪の代表をつかむべく、「送り出してくれたチームに恩返しするためにもチャンスをものにしたい」と誓う。

 アジアコンチネンタルツアーなどに参戦して力を伸ばしてきた。昨年8月にあったリオ五輪プレ大会で代表入り。今年9月のツール・ド・北海道では日本人最上位のステージ3位で表彰台に立っており、「前回はアシストの役割しかできなかったが、愛三でエースを経験させてもらい、どのくらい世界で通用するようになったか試したい」と心を躍らせる。

 NIPPOのチームメートには元イタリア王者がいるなど激しい内部競争が待ち受ける。一方で、これまでより格段に多い年間約40の国際レースに出場する機会が増える。信号のない道路で1日に100キロ単位を走行する練習などは国内で経験できない。

 初陣が見込まれる来年2月のイタリアのレースに向け、「いいポジションを任されるように調整したい」と意気込む。

 

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