東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > タイムライン > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【タイムライン】

箱根駅伝 あす号砲 青学の作戦はサンキュー

イベントで作戦名と目標を発表する青学大・原晋監督=東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスで

写真

 第93回東京箱根間往復大学駅伝(通称・箱根駅伝、往路107.5キロ、復路109.6キロ、10区間)が2、3日に行われる。優勝候補の筆頭は青学大だ。史上6校目の大会3連覇と、昨年10月の出雲、同11月の全日本に続く史上4校目となる大学駅伝3冠を目指す。果たして「青学時代」の到来となるか。恒例となった原晋監督の作戦名に込めた思いとその効果に迫った。

 登録メンバー発表の前日、昨年12月9日のミーティングでのこと。原監督が箱根駅伝の作戦名を「サンキュー大作戦にする」と告げると、場の雰囲気は一気に和み、一体感が芽生えた。「みんな楽しそうに盛り上がってました」。部員の笑顔とともに、目標へ向かって一つになった。

 作戦名をつけ始めたのは2013年の箱根駅伝から。不調だったエースでアンカーの出岐雄大さんにロボットアニメの「マジンガーZ」のごとく駆け抜けてほしいと願いを込めて命名した。出岐さんは「作戦名を知ったときは、期待してくれてありがたいなと思った。原監督は選手それぞれの性格を把握していて、乗せるのが上手」と振り返る。

 指揮官は風呂場で熱い湯船につかりながら作戦名を考える。チーム状況と戦略、自身の精神状態を分析し、頭の中を整理する。「私は戦略を練るのが趣味。すごく楽しいですよ。仕事は楽しくやらないといけないですからね」

 16年の箱根は「ハッピー大作戦」。直前の全日本駅伝で敗れ、肩を落とす選手に対して「青学らしく前向きに明るくいこう。ハッピー指数を上げていこうよ」と鼓舞した。

 昨年10月の出雲駅伝は「神ってるぞ大作戦」。プロ野球セ・リーグを制した広島でブレークした鈴木誠也と、初駅伝で1区を任せた鈴木塁人(1年)を重ね合わせ、その気にさせた。普通の選手なら重圧に感じてもおかしくないが、鈴木は「先輩たちが驚くような走りをしたい」とノリノリに。これも選手の性格を熟知しているからこそだろう。

 フレーズに込める思いは檄(げき)やメッセージなど、状況に応じてさまざま。これが原監督流のコミュニケーションであり、選手操縦術。「最近の若者はゆとり世代と呼ばれるけど、きちんと理解するまで教えていけば、自ら進んで行動する。どう伝えるかが指導者の裁量だと思う」と語る。

 さて、今回のサンキュー大作戦。大会3連覇と大学駅伝3冠を狙い、原監督にとって9度目の箱根路となる。数字の3と9と「多くの人たちに支えられてきたので」と感謝の気持ちを語呂合わせした。

 主将の安藤悠哉(4年)は「僕が故障していた時に他の4年生が引っ張ってくれた。ありがとうの思いがある」。それぞれが感謝の気持ちを胸に秘めて走る。3日の東京・大手町。ゴールテープを切り、原監督の「サンキュー」の雄たけびがこだまするか−。 (森合正範)

大学駅伝3冠と箱根駅伝3連覇へ向け、「3」のポーズを決める青学大のメンバーら=相模原市の青学大で

写真

◆1万メートル28分台9人 選手層厚く

 3連覇を狙う青学の選手層が厚い。トップランナーの目安となる1万メートル28分台の記録保持者が9人もいる。昨年10月の出雲で2位の山梨学院大が5人、同11月の全日本で2位の早大が3人しかいないことを考えると、総合力では頭一つ抜けている。

 原晋監督は「故障者は2、3人いるが、全体的に8、9割の仕上がり」と自信をみせる。エースで2区の一色恭志(4年)、主力の田村和希(3年)、下田裕太(3年)は最高の状態だという。

 だが、往路は混戦を覚悟している。「唯一の不安」という山上りの5区があり、他の有力校は往路に主力を起用してきた。原監督は「往路が終わってトップと2分差の3位以内なら大丈夫」と復路勝負のつもり。出雲も全日本も終盤に逆転しており、先行されても焦ることはなさそうだ。

 青学を脅かすのは早大。1〜4区に主力をずらりと並べ、5区には2年連続で山上りの安井雄一(3年)が控える。駒大も前半重視の作戦は同じ。両校は往路優勝の可能性もある。

 有望な1年生がそろう東海大が台風の目となりそうだ。1区の鬼塚翔太、2区の関颯人で波に乗り、5区の館沢亨次(いずれも1年)につなげば、優勝争いに加わるかもしれない。 (森合正範)

【往路】

(2日午前8時スタート)

1区 大手町→鶴見

2区 鶴見→戸塚

3区 戸塚→平塚

4区 平塚→小田原

5区 小田原→芦ノ湖

【復路】

(3日午前8時スタート)

6区 芦ノ湖→小田原

7区 小田原→平塚

8区 平塚→戸塚

9区 戸塚→鶴見

10区 鶴見→大手町

※今大会から4区と5区の距離が変わり、4区は20.9キロ、5区は20.8キロに。

写真
写真
 

この記事を印刷する

PR情報