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【タイムライン】

新種目 カーリング混合ダブルス 攻防スリル、鍵は相性

カーリング混合ダブルスの世界選手権に出場する小笠原(右)と阿部=アドヴィックス常呂カーリングホールで

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 「氷上のチェス」と称されるカーリング。来年の平昌冬季五輪では、男女2人一組による混合ダブルスが新種目として実施される。22日から29日には五輪出場枠獲得をかけた世界選手権がカナダ・レスブリッジで開かれ、3月の日本選手権を制した「チーム阿部」(北海道協会)が挑む。4人制とは違う、混合ダブルスとは−。 (上條憲也)

 「同じカーリングだけど、別物」。3月の混合ダブルス日本選手権に出場した「チーム東京」(東京都協会)の樋口祐太は、平昌五輪で実施される新種目をそう表現する。

 男女一人ずつ計2人という人数の違いだけでなく、あらかじめ両チーム1個ずつ石を置いた状態で始まったり、途中までは石をはじき出せないなどのルールにより、「石が(ハウスに)たまりやすく、見掛け上は点差があっても、いつひっくり返るか分からない」と樋口。「一投の重みも違う。スリリングさは(4人制より)2人のほう」

 日本カーリング協会によると、世界カーリング連盟が10年ほど前、競技のコンパクト化と将来的な五輪新種目を目指し、普及を各国に提案した。日本協会は第1回の日本選手権を2007年に開催。10エンドまである4人制と異なり、混合ダブルスは8エンドで試合時間はやや短い。「日本も代表を選んでおこうということで始まった」と倉本憲男事務局長は振り返る。

 売りの一つが、チームの組みやすさ。4人制から転向した「チーム柏木」(長野)の柏木寛昭は「(同性の)4人が集まるよりは、確かにチームを組みやすい」。「チーム青木」(北海道)の藤井春香は「4人制をやりたいけどなかなか難しい」という中、4年前に当時中学生だった11歳年下の青木豪とペアを組んだ。青木が一時期、受験で活動できない期間はあったが、昨年、今年と日本選手権で連続準優勝。藤井は「4人制より上を目指しやすい面もある」と五輪を目標に掲げる。

 ただ、ペアは「相性次第」とも。妻の由美子と組む柏木は「私たちは夫婦だけど、すぐ解散するチームもある。競技として割り切って上を目指せるなら別だけど」。学生ペアなどは就職を機に解消せざるを得ない物理的な要因もあるというが、「長く続けているペアはやっぱり、見ていてもうまい」と柏木。

 日本協会によると、国内のカーリング競技登録者(公式戦参加者)は約2500人。4人制、混合ダブルスを兼務する選手もあり、混合ダブルスだけの競技人口は定かでないが、混合ダブルスは「まだまだマイナーの中のマイナー種目」との声もある。しかし、日本の五輪出場が決まれば、注目度は上がる。柏木は「平昌五輪で混合ダブルスが『面白いぞ』となればいい」と期待する。

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◆前年ポイント0 枠の確保難しく

 平昌五輪の出場枠がかかる世界選手権に日本代表として挑むのは、日本選手権を初制覇した38歳の小笠原歩と37歳の阿部晋也が組む「チーム阿部」(北海道)。4人制では司令塔のスキップとして実力を誇る2人だが、「未知の世界」(小笠原)という混合ダブルスは戦略も変わり、当初は練習試合でも勝てなかったという。それでも4人制で五輪3大会出場の小笠原と、トリノ五輪で監督を務めた阿部の経験は大きい。

 世界選手権では、五輪開催国の韓国を除く上位7チームに与えられる五輪枠を目指す。ただ、日本にとっては狭き門か。前年の世界選手権のポイントとの合計のため、前年ポイントのない日本はできる限りの上位進出が欠かせない。出場約40チーム中、「どこが勝ち上がるか分からない、予測不能の状況」(日本カーリング協会)という。

 日本協会によると、チーム阿部が五輪枠を獲得すれば、五輪日本代表を決める決定戦を今秋までに行う。日本選手権昨年優勝の「チーム札幌」(北海道)、2年連続2位の「チーム青木」(同)を含めた3チームの争いの予定だが、決定方式は未定。 

<カーリング混合ダブルス> 平昌で五輪初採用の競技で男女一人ずつのペアで戦う。ストーンを置いた状態で始め、1エンド各8投ではなく5投で争う。2人の連係とショットを操るスイープ力が不可欠で、仕事量が多い。体力と適応力が試される競技でもある。

 

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